このたびは,第20回設計工学・システム部門講演会にて,フロンティア業績表彰をいただき,大変光栄に存じます.思い出せば,始めて学会で発表したのが第8回の本部門講演会であり,その後も多くの先生方から怒られながらも,へこたれずに参加・発表し続け,良い意味でも悪い意味も自分自身にロバスト性があったことが受賞の一つではないかと感じています.諸先輩方と同様,早稲田大学山川研究室で初めて最適化というものに出会いましたが,その頃は最適化が何かもわかっておりませんでした.1997年にOPIDが開催された後,多くの著名な先生方に早稲田で講演をしていただきましたが,その中にVanderplaats先生がいらっしゃいました.不勉強であったため,名前は存じ上げているものの,かの有名な最適化の教科書の存在を当時は全く知りませんでした.翌年,何かのセミナーでVanderplaats先生が再来日され,講演が終了した後,「教科書をください」と直接交渉したところ,快くOKしていただき,その数日後,本当に本が送られてきました.そのときの無謀さが本当の最適化との出会いであったかもしれません.このときいただいた本は,ボロボロになりながらも,私の部屋の宝物として今も置いてあります.金沢大学に赴任以降は,山崎光悦先生から適切なご助言を頂きながら,非常に自由に研究をさせていただいております.最適化アルゴリズムの開発や応答曲面法・逐次近似最適化に関する研究に関し,自身が納得するまでじっくり研究していますが,パラメータ一つを決定することですら非常に難しいことで,実は当たり前のようにやっていたことをしっかりやってみると意外に難しかったり,あまり研究されていないことがわかり,そこから研究テーマが見つかるという面白さを改めて実感しています.一方で,設計へ最適化技術を如何にして応用するかという重要な課題については,これからの大きな大きな研究課題であると考えています.最適化技術はどのような分野でも必要となるものですので,根幹をしっかりとおさえつつ,応用分野も視野に入れ,今後も引き続き最適化を中心に研究を進めていき,また本部門にしっかりと恩返しさせていただきたいと思います.最後になりましたが,本部門の行事のときには常にスムーズに物事が運ぶよう手配・配慮していただいている遠藤貴子様,田中克様,こんな私を博士課程の学生として受け入れていただいた山川宏先生(早稲田大学),誰がどう見ても先が見えない研究をやっていた私に職を与えていただいた山崎光悦先生(金沢大学),最適化の仲間に入れていれていただいき,常に叱咤激励していただいている荒川雅生先生(香川大学),杉本博之先生(北海学園大学),中山弘隆先生(甲南大学),教育を授けていただき常に長い目で見ていてくれた両親,つかの間の安らぎを与えてくれる家族には特に感謝します.