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ベストプレゼンテーション表彰を受賞して

広島大学大学院
久保諒祐

 この度は,IIP2010 情報・知能・精密機器部門講演会にて発表させて頂きました「全身共振を利用した体内から体外への小電力無線情報伝送−FDTD法を用いた電磁界解析による検証−」に対し,ベストプレゼンテーション賞を頂き,大変光栄に存じます.

  今回の受賞対象となりました研究は,カプセル型内視鏡などの体深部で用いられる医療機器に対して高効率に無線通信を行う新しい手法の開発を目指したものです.体内埋込型医療機器は延命治療や診断に大変有用ですが,通信電磁波が人体組織によって減衰する点が大きな課題でした.そこで本研究では「全身共振」と呼ばれる現象を応用した新しい無線通信方法を提案致しました.全身共振は電磁波に曝された人体そのものが1つのアンテナとして働く現象であり,周波数と人の身長が共振した場合に発生します.今回の取り組みでは3次元電磁界解析を用いることで体内埋込型医療機器から発生する通信電磁波を解析し,体内から電磁波を放射した場合においても全身共振が発生することを報告致しました.

  修士2年間の研究活動を通じて,物事への取り組み方や主体的に考える姿勢などを学ぶことができました.就職後も学生時代に培ったこれらの研究姿勢を発揮し,早く第一線で活躍できるよう努めて参りたいと思います.

 最後になりましたが,このような素晴らしい賞を頂くことができ,関係者の方々にこの場を借りて深く感謝申し上げます.そして本研究を進めるにあたり,終始ご指導を賜りました広島大学の柴 建次先生(現在,東京理科大学基礎工学部)に心より感謝とお礼を申し上げます.

Last Modified at 2011/9/28