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2014年度部門表彰者の声:ベストプレゼンテーション賞

株式会社豊田自動織機
小森 浩介 

 この度は、日本機械学会 情報・知能・精密機器部門 ベストプレゼンテーション表彰を賜りましたこと、大変な驚きとともに、非常に光栄に思います。このような栄誉ある賞を頂けたのは、長期にわたりご指導いただいた 名古屋大学 福澤健二教授 ならびに 大岡昌博教授、日ごろ共に研鑽しあった両研究室の諸氏のおかげであると思います。この場を借りて心よりお礼申し上げます。

 受賞対象となりました「三軸触覚センサの検出特性に及ぼす皮膚ゴム膜厚と指紋型構造の効果」では、大岡研究室にて開発中の光の反射を応用した触覚センサに対し、ヒトの指紋を模した皮膚構造を導入、センサ性能の向上を目指したものです。以下では、その開発の理念や概要について簡単にご紹介します 。

 近年、人型ロボットへの注目が高まっています。すなわち、人に代行して、介護の現場や危険な場所などで様々な作業を遂行するには、ロボットは人型である方が有利であると言われています。さらに、自律作業を遂行するには、ロボットが自身で未知物体を識別して、それを精密・適切に把持操作できるようになることが必要不可欠です。そのためには、対象物の硬さ・質量・表面摩擦など、触覚情報の利用が有効であり、高感度な触覚センサの開発が期待されています。そこで本研究では、ヒトの皮膚構造と指紋には、物体把持の安定性と触覚感度を向上させる役割があることに注目しました 。触覚センサに、人の皮膚と同様の構造を導入することで、不感部を削除し、把持安定性を確保した上で、センサ表面の指紋形状により、物体との接触力をセンサ素子に集中させることで感度を向上させた新センサの設計・評価について報告致しました。

 現在、私は株式会社豊田自動織機に所属し、フォークリフトの設計・評価に携わっております。この度の受賞を励みとし、今後も産業から社会の発展に貢献できるよう、尽力していく所存であります。最後になりましたが、日本機械学会 情報・知能・精密機器部門の益々の発展と繁栄を祈念し、御礼の挨拶とさせていただきます。

Last Modified at 2016/2/18