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第101期部門長挨拶

20代の皆さんへ

第101期 部門長 堤 一也
三菱重工業(株)総合研究所

 20代の会員の皆さん、皆さんが機械学会や材料力学部門に求める価値って何ですか?

 最新の研究や技術情報の収集、多様な研究者・技術者とのネットワーク構築、自己研鑽、といった感じでしょうか。どんな集まりなのか分からないので答えられない、と言う方もいらっしゃると思います。本部門は「ものづくりの安全・安心を保証する研究活動や技術開発の母体となって、安全性・信頼性の確保という社会要請に応える」役目があると考えますが、具体的にどのような活動をしているかご存知でしょうか。

 本部門を身近な存在として感じ、価値を発見して欲しいと願い、この一年皆さんに出来る限り多くのことをお伝えしていきます。ぜひホームページも覗いてみてください(*1)。そして“面白そう!”と思うイベントに参加してみてください。魅力的なイベントが見つからなかったら、新しい企画を一緒に立ち上げませんか。具体的に悩んでいる問題や課題があれば、大学と企業が一緒になったチーム(*2)を作って解決に向けて議論をする仕組みもあります。

 歳を重ね自分が所属する組織のカラーに染まると、外の世界との交流からしか得られない刺激を痛感します。20代の皆さんは自分の組織や業務に慣れるために多くの時間を割き、さらに企業会員の方々の中には職場の雰囲気的に学会参加を躊躇することがあるかもしれません。しかし、垣根を越えた対話や議論は研究者・技術者としての幅を、そして出会いのチャンスも広げてくれます。私は29歳の時に、目標とする先輩や今でも相談に乗ってもらえる友人に出会うことができました。後輩の成長を望まない上司や先輩はいません。一年に一度だけでも所属組織から越境してみませんか。

 部門主催イベントの一部を紹介します。
 ・若手シンポジウム(*3):40歳未満の研究者・技術者を対象とした計算力学部門との合同シンポジウムです。同世代の仲間と築く交流は長く続く貴重な財産になると確信します。
 ・材料力学部門M&M2023カンファレンス(*4):機械材料・材料加工部門とコロケーション(同日・同場所)開催する講演会です。両方の講演会を行き来でき、多くの情報に触れることができます。
 ・実験力学の先端技術に関する国際会議ATEM2023(*5):国際DIC学会(画像相関法)との合同会議です。世界へ活動の場を広げる良い機会になるはずです。

 ニュースレターはコンパクト&タイムリーをモットーに情報を発信していきます。年度初号の本レターでは運営委員会報告を掲載しました。委員会は各支部選出の会員他で構成され、部門活動の基盤として部門運営に係る事項を審議・決定しています(*6)。今後のニュースレターではイベント特集号や研究会・分科会特集号も予定しています。これまで以上に会員の接点となるように、皆さんからご意見・ご要望をお寄せいただければ幸いです。

 最後になりましたが、全ての会員の皆様へ部門長を仰せつかるにあたり挨拶申し上げます。現代社会の問題の解決には多様性が不可欠です。人類進化の過程では技術革新を加速した“集団脳”と呼ばれる説があるそうですが、本学会・部門はまさにその役割を担える集団であると思います。是非、積極的に本部門をご活用いただければ幸甚です。泉副部門長、市川部門幹事とともに運営委員ならびに部門登録の皆様のご協力を得ながら、微力ではありますが本部門の運営に努めてまいります。ご支援のほどよろしくお願いいたします。

 *1 https://www.jsme.or.jp/mmd/
 *2 https://www.jsme.or.jp/organization/department/guidance-of-management/kr27/
    https://www.jsme.or.jp/organization/department/guidance-of-management/kr25/
 *3 https://www.jsme.or.jp/conference/mmdcmdconf23-2/
 *4 https://www.jsme.or.jp/conference/mmdconf23/index.html
 *5 https://atem23.com/
 *6 部門登録会員の方であれば運営員会へオブザーバー参加していただけます。ご希望の方はお知らせ下さい

第101期副部門長挨拶

魅力ある材料力学部門のために

第101期 副部門長 泉 聡志
東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻

第101期の副部門長を務めさせていただくことになりました。第89期に林眞琴部門長、渋谷陽二副部門長のもと、幹事を務めさせていただき、その後、年鑑、技術ロードマップの改訂、有限要素法に関する講習会などに携わってきました。材料力学部門の講習会は定評があり、材料力学、破壊力学、弾性論、粘弾性、ひずみ測定など充実しており、多くの社会貢献を果たしてきたと思います。私の有限要素法に関する講習会も10年を超えて続けさせていただいています。色々な方々と有限要素法に関する議論が出来るのも毎年楽しみにしています。

 最近は、少し運営委員会から遠のいていましたが、部門の課題は、幹事であった10年前とほとんど変わらないと思っています。例えば、若手会員・企業の会員の減少、講演会などのイベントの負荷の低減スキーム、和文・英文論文集の投稿数減少などです。これは機械学会全体の課題でもあると言えると思います。いずれも、すべての世代の部門のメンバーの方々との深い本音の議論が必須だと思っています。

一方、学会は、ボランティアベースの義務のない自由な活動です。会員の方々が、こういう活動・企画があったらいいな、やってみたいというのを実現するのが運営委員の役目だと思います。遠慮なくご意見をお寄せください。特に、企業の会員・若手会員からの意見を募集しています。

若いころ、材料力学部門の先輩方々からは、多くのものを頂きました。また、材料力学部門の場は、多くの同僚とつながる貴重な場でした。先輩方に代わって、その場を設けることをお手伝いできればと思っています。コロナ渦で弱体化した皆のつながりを深めていきたいと思っています。

歴史ある材料力学部門を魅力的にするため、堤部門長、市川幹事と共に取り組んでいきたいと思っております。皆様のご協力をお願いいたします。

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