ロボットグランプリ&ロボフェスタ

ロボットグランプリ実行委員長
広瀬茂男(東工大)

第5回ロボットグランプリについて

 第5回ロボットグランプリは,世界で初めて行われることになったロボット創造国際競技大会「ロボフェスタ」の公認競技大会として, ロボットスカベンジャ−競技が2001年8月30日に横須賀市久里浜南体育館で,それ以外の3競技は11月17日,18日に横浜国際平和会議場(横浜パシフィコ)で実施された.その結果は一口で言えば大成功であった.それが証拠に,ロボフェスタの反省会でロボフェスタ神奈川を世話してくれたスタッフの方から,「ロボフェスタではいろいろな競技会が行われたけれども,ロボットグランプリほど面白い競技会は無かった.競技の途中で外に出る人がほとんど無く,皆さん競技を楽しんでくれている様子がはっきりと感じられて本当に嬉しかった」という感想も頂いた.また特別審査員をしていただいたMartin Buelher教授(McGhill Univ. , Canada), Hagen Schempf博士(CMU,USA)からも最大限の賞賛を頂いた. このような大成功を収めることができたのはロボットグランプリ実行委員会の方々の献身的な御協力と,協賛企業の支援,そしてロボフェスタ神奈川の絶大なサポートの賜物である.ここで改めて厚く感謝の意を表したい.競技会の様子を以下に紹介する.詳細は第5回ロボットグランプリホ−ムペ−ジ(http://www.RobotGrandPrix.com)を参照頂きたい.なお,第6回ロボットグランプリは2002年11月23日(土曜),24日(日曜)に,横浜で開催する予定である.競技の規定はそれほど変更しない予定である.多くの方々の参加を期待します.

1 ロボットスカベンジャー競技
1.1競技概要
 教育用ロボットキットを改造したリモコン型ロボットでピンポン玉を2つのゴールに入れることで得点を競う.モータ,コントローラー,電源は支給部品を使用するが,他の材料は自由に追加できる.

1.2 参加者と入賞チーム
 応募102チーム,予選出場99チーム,決戦出場25チーム.小学生とその親,中学生・高校生のグループ.家族ぐるみ,学校ぐるみで共同作業して応援もしている姿が見うけられた.
 1位 種生大輔・中村 祥(横須賀市・中学生ペア)
 2位 森 裕之・森  弘(埼玉県行田市・親子ペア)
 3位 萩原 徹・浜田浩気(兵庫県西宮市・高校生ペア)
 特別賞 武藤拓馬・武藤 篤(横浜市・親子ペア)

1.3  戦評
 集まった参加者の人数に圧倒され,参加者も審判団も大いに気合いが入った.そして予選から華々しく高得点をあげるチームが続出してレベルの高い戦いになった.また小学生の参加者が自分で考えた構想を自分で製作しているチームが,頼りない動きだが試合を存分に楽しんでいる様子も見られ大変良かった.最後の決勝はいい試合でマシンたちが気持ちのいいくらい一気に大量の得点を上げた.今回はNHK教育テレビの「天才ビット君」にもこの競技会が紹介され,競技会当日はパーソナリティのユウコとアイコの飛び入り模範競技も行われた.


スカベンジャー競技(横須賀市久里浜南体育館)


2 大道芸ロボット競技
2.1 競技概要
 ロボットが自由にパフォーマンスを見せる.演技するロボットは,計算機制御され,机の上か5m×5mの床の上で,3分間の競技時間内で自由演技を披露する.

2.2 参加者と入賞グループ
 応募24チーム,ビデオ予選通過12チーム.大学生と工業高校が多かった.
 1位 MUSICAL PAFORMANCE(電気通信大学 代表者:宮井 隆雄)
 2位 書き取り侍 (東京工業大学 代表者:岩崎 玲奈)
 3位 しゃぼん (神奈川県立産業技術短大 代表者:金谷 未紀)
 特別賞 弾けるかな? (東京工業大学 代表者:小高 雄二)

2.3  戦評
 今回は,完成度の高い作品が多く大変密度が高い大会となった.優勝したMUSICAL PAFORMANCEは,レーシングカーの大規模な移動ロボットが楽器を演奏するもので,動きと音,そして駄目押しにライティングなどの効果も利用しており,それらの総合効果で観客にアピールした.2位の書き取り侍は,習字をするロボットであるが,何よりも書かれた漢字の美しさが印象的であり,さらに硯で筆を整えたり,時々気合を入れたりと芸の細かい動作が好感を与えた.3位のしゃぼんは,ロボット自体は技術的にはそれほどでもなかったが,参加者との軽妙な掛け合いが心地良く評価を上げた.


大道芸ロボット競技(パシフィコ横浜)


3 からくりロボット競技
3.1 競技概要
 動力に電気以外のものを用いたロボットがパフォーマンスを見せる.条件は,最大でも0.9m×1.8mの板上で動作可能であること.

3.2 参加者と入賞チーム
 応募14チーム,ビデオ予選通過チームは13.大学生と工業高校が多いが,社会人の参加もある.
 1位 ぶんちゃん5号 (鰹ャ野電機製作所 代表者:土屋敏男)
 2位 くまのQさん (電気通信大学 代表者:久芳泰弘)
 3位 ロボよ,わたれ!! (大同工業大学 代表者:鬮目和也)
 特別賞 PACIMO君 (代表者:樫山武士)

3.3 戦評
 電気エネルギを初期駆動源に用いてはいけない厳しいルールがあるため,他の競技に比べ例年応募者数は若干少ない.しかし年々レベルの向上はめざましい.1位の「ぶんちゃん5号」は,常連優勝の土屋氏のチームで,小型の獅子舞をピン機構だけで演じるロボットでアイデア,機構,美術性,娯楽性すべての面で完成度の高い作品であった.2位,3位は大学研究室の学生作品である.「くまのQさん」は木製の熊が魚を採る癒し系ロボット.「ロボよ,わたれ!!」は手長猿のように上手にうんていをこなすロボットで,振り子運動をリズミカルに繰り返して鉄棒を渡ってゆく巧みさが感動的であった.惜しくも賞に漏れた作品の多くも,夏休み返上の努力が読みとれ,さわやかな印象の競技会であった.外人審査員からも競技ルールと作品両者の独創性が高い評価を受けていた.

からくりロボット競技(優勝作品)


4 ロボットランサー競技
4.1 競技概要
自律型の槍騎兵ロボットが標的をつく競技である.ロボットは,円周状コースラインの左右にある色々な種類と大きさの標的を100秒間にどれだけ突けるかを競う.

4.2 参加者と入賞者
応募96チーム,予選進出63チーム,決勝進出30チーム.参加者は中学生から70歳までと幅広い.
 1位 フラッシュハート (東京工業大学 吉柳 一郎)
 2位 YARI YARI 2000改 (TIG 代表者:伊藤 恒平)
 3位 Pa(パスカル) (富山県立大沢野工業高校 代表者:若林 満)
 特別賞 はね号 (静岡県立浜松工業高校 代表者:内山 幸恵)

4.3 戦評
 これまでの強豪チームに昨年までのような,圧倒的強さが見られなかった.これは実力が拮抗してきた証拠であり,高い技術レベルでの戦国時代に入ってきたのかもしれない.足回りの良さと攻撃用アームを備えた「カトレア」型や鍬形の独特の形状を持つ「女王様」が,今回苦しい戦いを強いられた.また,学生チームの健闘が目立った.これまで資金力や総合力で社会人チームに遅れをとってきたところだったが,今回は社会人チームと互角に力を発揮し,しかも強豪チームのコピーではなく独自の改良を加えてロボットを開発したところが高く評価できる.

ロボットランサー競技



ロボットグランプリホームページ:
http://www.RobotGrandPrix.com



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Last Update :  2002/4/15

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