部門賞・一般表彰贈呈式

2014年度部門賞委員会委員長
高松 洋(九州大学)

 熱工学部門では,第92期 (2014年度)の部門賞・部門一般表彰について以下のように決定し,熱工学コンファレンス2015(大阪大学)において贈呈しました.受賞者の方々は,本部門の「部門賞および部門一般表彰規程」により運営委員会構成員ならびに本部門登録会員に候補者を募り,部門賞委員会において部門賞5名・部門一般表彰9名を選考し,運営委員会の審議を経て決定されました.また,贈呈式では,第92期 (2014年度)に本部門より若手優秀講演フェロー賞を受賞された以下2名の方々の紹介も行いました.


第92期(2014年度)熱工学部門賞・部門一般表彰 受賞者一覧(敬称略)

熱工学部門賞
  功績賞(永年功績賞)   森 康彦   (慶應義塾大学 名誉教授)
  功績賞(国際功績賞)   吉田 英生   (京都大学 教授)
  功績賞(研究功績賞)   大田 治彦   (九州大学 教授)
  功績賞(技術功績賞)   山田 明   (三菱重工業 技術統括本部長崎研究所 技監・主幹研究員)
  業績賞   山田 純   (芝浦工業大学 教授)

部門一般表彰
  貢献表彰   中別府 修   (明治大学 教授)

  津島 将司   (大阪大学 教授)

  講演論文表彰

  <2014年度年次大会>
  「分子動力学シミュレーションによる超微小気泡群の成長機構の評価」
  津田 伸一(九州大学),田中 亮太(信州大学)

  <熱工学コンファレンス2014>
  「ガソリンの壁面付着に伴うすす生成の数値解析」
  橋本 淳(大分大学),南野 由登(大分大学),高橋 大樹(大分大学),
  田上 公俊(大分大学),森吉 泰生(千葉大学)

若手優秀講演フェロー賞

  <熱工学コンファレンス2014>

  「PEFCカソード側MPLの微細構造が液水輸送と発電特性に及ぼす影響」
  奥畑 剛(京都工芸繊維大学)

  「撥水斑点上のサブクール沸騰気泡の成長におよぼす溶存空気の影響」
  山田 将之(九州大学)



熱工学部門賞

功績賞(永年功績賞)
森 康彦 氏

贈賞理由:国内外の熱工学、とりわけ直接接触伝熱とその界面物理化学、およびクラスレート水和物の生成と多相ダイナミクスに関する研究など、永年にわたる熱工学への貢献が顕著である。

略歴:
1969 慶應義塾大学理工学部機械工学科 卒業
1971 慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学 専攻修士課程 修了
1974 慶應義塾大学大学院理工学研究科機械工学 専攻博士課程 修了 工学博士
1974 慶應義塾大学助手(工学部機械工学科)
1981 同 専任講師(理工学部機械工学科)
1983 同 助教授(理工学部機械工学科)
1990 同 教授(理工学部機械工学科)
2012 慶應義塾大学 名誉教授


功績賞(国際功績賞)
吉田 英生 氏

贈賞理由:熱工学に関する多数の国際論文誌のEditorや国際会議の委員を務めることによる熱工学分野への貢献が多大である。とりわけ2014年に開催された第15回国際伝熱会議 (IHTC -15) を実行委員長として成功に導いた業績は顕著である。

略歴:
1978 東京工業大学工学部機械物理工学科卒業
1983 東京工業大学大学院理工学研究科機械物理 工学専攻 博士課程修了(工学博士)
1983 東京工業大学工学部助手
1990 東京工業大学工学部助教授
1999 京都大学大学院工学研究科教授


功績賞(研究功績賞)
大田 治彦 氏

贈賞理由:国内外の熱工学、とりわけ微小重力環境下での沸騰熱伝達の研究および国際宇宙ステーションによる宇宙環境を利用した国際協力プロジェクトなど、熱工学研究の発展に貢献した功績が顕著である。

略歴:
1976 九州大学工学部機械工学科 卒業
1978 九州大学大学院工学研究科機械工学専攻 修士課程修了
1981 九州大学大学院工学研究科機械工学専攻 博士後期課程 単位取得退学
1981 九州大学工学部機械工学科 講師
1983 九州大学工学部機械工学科 助教授
(1990〜1991 ミュンヘン工科大学 訪問研究員)
1999 九州大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻 教授
2000 九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門 教授


功績賞(技術功績賞)
山田 明 氏

贈賞理由:国内外の熱工学、とりわけ超臨界圧変圧運転ボイラ用新型伝熱管などのエネルギー変換システムに関する熱技術や人工衛星用姿勢制御装置の熱設計など、熱工学技術の発展に貢献した功績が顕著である。

略歴:
1978 九州大学工学部機械工学科 卒業
1980 九州大学大学院工学研究科機械工学専攻 修士課程 修了
1983 九州大学大学院工学研究科動力機械工学 専攻博士後期課程 単位取得認定退学
1983 三菱重工業株式会社入社
1990 米国パデュー大学客員研究員(1年間)
2003 三菱重工業株式会社先進技術研究所次長
2005 三菱重工業株式会社長崎研究所次長
2008 三菱重工業株式会社本社知的財産部部長
2011 三菱重工業株式会社長崎研究所主幹


業績賞
山田 純 氏

贈賞理由:熱工学、とりわけふく射伝熱とナノスケール構造面のふく射性質およびその応用に関する研究業績が顕著である。

略歴:
1982 東京工業大学生産機械工学科 卒業
1982 ヤマハ発動機株式会社 入社
1986 東京工業大学大学院生産機械工学専攻修士課程 修了
1988 東京工業大学大学院生産機械工学専攻博士後期課程 中退
1988 東京工業大学助手
1994 博士(工学)東京工業大学
1995 山梨大学助教授
(2001〜2002 ケンタッキー大学客員准教授)
2005 芝浦工業大学教授




部門一般表彰

貢献表彰
中別府 修 氏(明治大学)

贈賞理由:熱工学、とりわけMEMS熱型センサを用いたミクロ熱工学分野への貢献、ならびに熱工学部門活動に対する貢献が顕著である。


貢献表彰
津島 将司 氏(大阪大学)

贈賞理由:熱工学、とりわけ電気化学エネルギー変換デバイスに関する熱工学分野への貢献、ならびに熱工学部門活動に対する貢献が顕著である。



講演論文表彰
論文題目「分子動力学シミュレーションによる超微小気泡群の成長機構の評価」
津田 伸一(九州大学),田中 亮太(信州大学)
津田 伸一 氏 田中 亮太 氏
贈賞理由:本論文は、超微小気泡群の生成―成長機構をMDシミュレーションと半理論解析に基づいて明らかにした内容であり、その研究アプローチは萌芽性・独創性が高く、この分野の進展に重要な貢献をするものと考えられる。

講演論文表彰
論文題目「ガソリンの壁面付着に伴うすす生成の数値解析」
橋本 淳(大分大学),南野 由登(大分大学),高橋 大樹(大分大学),
 田上 公俊(大分大学),森吉 泰生(千葉大学)
橋本 淳 氏 南野 由登 氏 高橋 大樹 氏 田上 公俊 氏 森吉 泰生 氏
贈賞理由:本論文は、壁面付着燃料液膜の燃焼およびPM排出特性について詳細反応を考慮した数値解析により明らかにした内容であり、その研究アプローチは萌芽性・独創性が高く、この分野の進展に重要な貢献をするものと考えられる。




若手優秀講演フェロー賞

論文題目「PEFCカソード側MPLの微細構造が液水輸送と発電特性に及ぼす影響」
奥畑 剛 氏(京都工芸繊維大学)

贈賞理由:本講演は、PEFCカソード側MPLの微細構造が液水輸送と発電特性に及ぼす影響を明らかにした研究として、その内容が優れていると同時に、発表方法に創意工夫がみられ、質疑に対する応答も的確であった。講演者の能力と努力は敬意に値するものであり、今後の活躍に期待が持てる。



論文題目 「撥水斑点上のサブクール沸騰気泡の成長におよぼす溶存空気の影響」
山田 将之 氏(九州大学)

贈賞理由:本講演は、撥水斑点上のサブクール沸騰気泡の成長におよぼす溶存空気の影響を明らかにした研究として、その内容が優れていると同時に、発表方法に創意工夫がみられ、質疑に対する応答も的確であった。講演者の能力と努力は敬意に値するものであり、今後の活躍に期待が持てる。