今期年次大会の大会委員長として一言ご挨拶申し上げます。
 東京大学本郷キャンパスに於いて来る9月の25日(水)〜27日(金)の会期で開催される今期の年次大会は、松本洋一郎実行委員長のもとで多数の参加者をお迎えする準備も大詰めを迎えております。過去の年次大会が7月、8月の大変暑い時期に開催されたことから、今回は猛暑をできるだけ避けて9月下旬に会期を設定いたしましたので、多少なりとも快適な気候でご参加いただけるのではないかと考えております。加賀藩前田家の上屋敷跡地を利用した本郷キャンパスには、当時を偲ばせる赤門、いわゆる三四郎池、多数の大銀杏の木だけでなく、東京大学草創期の立ち上げに多大の貢献をした海外招聘教官の銅像もあり、またキャンパス周辺の老舗も歴史を感じさせます。

 今回の年次大会では、すでに確定したプログラムに見るとおり、機械工学の最新の情報が発表され、活発なディスカッションが行われるのはもちろんですが、今期年次大会の特色の一つである「知の統合:新たな価値の創造に向けて」という統一テーマに沿った企画内容にも期待がかかるところです。大会委員会はこの統一テーマに沿って、内閣府総合科学技術会議議員である桑原洋氏に「日本産業の復活を支える科学技術政策」と題する特別講演(9月26日)をお願いし、お引き受けいただいております。昨今の日本経済の状況からみて注目される内容の特別講演であり、多数のご来聴を希望します。また、「21世紀の分散エネルギーシステム(24〜25日)」、「細胞のバイオメカニクスとティッシュエンジニアリング(28日)」、「機械の状態監視と診断(25〜26日)」に関する3件の国際シンポジウムが併催されることになりました。いずれも、21世紀の機械工学の中核となり得る新しい分野について、海外からの講師も含めて活発に意見交換できるまたとない機会になるものと思います。さらに、同時期に本郷キャンパスで独立して開催されることになっていた「医用画像処理及びコンピュータ外科に関する国際会議」ともタイアップすることが決定しております。

 機械工学の多様な発展の方向をご理解いただくために、日本機械学会会員の方々のみならず、ご関心のある方多数のご来訪をお待ち申し上げております。

 最後に、この準備期間に惜しみないご協力をいただいた理事会、各部門、各支部、本部事務局の方々、そして大会委員の方々に厚く御礼申し上げます。





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日本機械学会2002年度年次大会大会委員長
田中正人(東京大学大学院工学系研究科産業機械工学専攻 教授)