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RC220


 
1. 分科会名称

  『ディーゼル機関における均一および不均一現象を制御する燃焼物理と燃料化学に関する研究分科会』

2. 主査名   新井雅隆 (群馬大学工学部 教授)
3. 設置期間   2005年4月−2007年3月までの2年間
4. 活動目的・内容

 ディーゼル機関では、NOxやPM等の排気対策だけでなく、更なる高効率化が求められている。ディーゼル機関における革新的な燃焼技術として予混合圧縮着火(HCCI)と高濃度のEGRを組み合わせた燃焼方式、またNOx還元とPMの酸化を組み合わせた後処理方式が有望視されているが、いずれも未完成の技術である。
これらの技術を完成させるためには、まず着火および火炎伝播に及ぼす燃焼性状の問題を解決する必要がある、とくに新しい合成燃料を開発する場合では燃焼コンセプトが重要である。また燃料問題は後処理技術にも関連している。燃焼コンセプトについてはHCCI燃焼機関の開発研究だけでなく、不均一性を一部に持たせた混合気の燃焼により、燃焼状態を制御することの必要性が認識されつつある。この問題は後処理装置の作動温度条件を確保するためのポスト噴射や燃焼室内の内部EGRにとっても重要である。
ここでは上記の問題を「均一および不均一現象の解明」という研究課題として捉え、これを制御する燃焼物理の燃料化学の要因解析を、ディーゼル機関の開発に寄与する基礎研究として行う。具体的な研究項目は以下の通りであり、それぞれの項目ごとに「均一および不均一現象」を評価項目とした研究を行う。
(1) 燃料合成と熱分解のプロセス解析
(2) 着火および燃焼の化学反応
(3) 噴霧と燃焼特性
(4) NOxおよびPMの生成および消滅プロセス解析
(5) 排ガス制御方式の検討、
  なお、「均一および不均一の現象」の具体的な事項としては、温度、濃度、組成などの空間的または時間的な変動とその変動幅の大小によって発現状態が異なる現象を意味する。また因果関係において変動幅が減少する傾向にある均一化現象と変動幅が増大する傾向にある不均一化現象に区分する場合もある。
  研究活動の進め方としては、研究者側から募集した個別研究を精査したのち、本研究分科会の主目的である「均一および不均一の現象」の研究に沿うように主査から研究の方向付けを行うものとする。また「不均一性」については、その評価基準があいまいなため、種々の現象を統一的に解釈できる「不均一性」の評価基準を導入する予定である。研究活動の上期(一年目)ではこの評価基準の確立と「不均一性」が制御因子としてどの程度効果的であるかの検討を行う予定である。また下期(2年目)では研究成果をもとに「均一性および不均一性」を操作因子とする制御コンセプトの導出を行う予定である。

5. 期待される研究成果

 ディーゼル燃料の組成,ディーゼル噴霧と燃焼,排気処理についてそれぞれに特有な不均一性を活かした新しい制御方法の提案を行う。
特に今回は「均一および不均一現象」をキーワードに取り上げていて、燃料製造における「燃料の均一性と不均一性」、予混合圧縮着火機関における「不均一混合気の活用」、従来型機関に置ける「混合気の均一性の促進または不均一性の活用」、外部EGRおよび内部EGRを「均一および不均一EGRとして捉えた場合の効果の相違」、時間変動をよび空間変動を含む「排気ガスの不均一性を活用した後後処理装置」について、その役割と制御因子を明らかにするので、機関開発の際の基本コンセプトとしての波及効果が期待される。

6. 参加負担金   50万円(年間)     ×2年     
7. 問合せ先  新井 雅隆
 〒376-8515 群馬県桐生市天神町一丁目5番地1号
 群馬大学工学部機械システム工学科 エネルギーシステム第3研究室
  TEL.0277-30-1522,FAX.0277-30-1521
  E-mail:arai@me.gunma-u.ac.jp 


 



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