分科会設置の目的
ダンピング技術は,振動や騒音を抑制する方法として非常に有効な技術であることから,産業界,大学いずれにおいても関心が高く,本学会主催の講演会でも毎
年多くの論文が集まっている.ダンピング技術は,材料,デバイスなど手段として幅広い選択肢があること,応用分野としても,機械の振動・騒音だけでなく,
土木建築構造物や微小構造物など多岐にわたっており,理論,応用両面の研究が活発に行われている.また,吸音や遮音に関しても,ダンピング技術を用いた数
値解析により高精度な性能予測を行う研究が行われるようになってきている.
日本機械学会では,様々な分野で展開されているダンピング技術に関する研究分科会として,これまでに,RC148(平成9年度〜平成10年度),
RC168(平成11年度〜平成12年度),RC187(平成13年度〜平成14年度),
RC208(平成15年度〜平成16年度)を設置して,活発な活動を展開し多彩な成果を上げ,RC208では,それまでの8年間の成果のまとめを行った.
その作業のなかで,分科会として強力に進めることが望ましい新たな課題がでてきたこと,企業側からもダンピングに関する研究の継続の要望があったことか
ら,1年の準備期間を置き,ダンピング材料,デバイスの設計・評価および応用に関する新たな課題や騒音問題にも対応することを目的として,最新の研究課
題,および,企業がかかえている問題に適用可能な実用的な方法の両方の立場を意識した活動を行う分科会を設置する.
活動計画の概要
運営委員会を設置して以下の研究を行うとともに,参加会社が出席する分科会を年4回程度企画する.
【上期/第1年度(2006年4月〜2007年3月)】
・調査研究の実施
(1)大きいひずみ振幅における制振材料の非線形性や発熱による非線形現象につい調査する.
(2)吸音材,遮音材をダンピング材料として捉え,有限要素法などの数値解析で性能評価する方法を提案する.
(3)制振デバイスの実際に設計する場合の具体的な問題を整理する.
(4)耐震問題や微小構造物などへ制振材料・デバイスを適用する場合に,その分野特有の課題を整理する.
・全体分科会の開催
(1)上記調査研究活動で得られた技術情報の提供
調査研究の中間報告会の実施
(2)技術分野別ごとの最新情報の提供
(3)実用的な技術の紹介,技術相談,情報交換の実施
【下期/第2年度(2007年4月〜2008年3月)】
・調査研究の実施
(1)大きい歪振幅における非線形性や発熱による制振材料の特性変化の評価方法を提案する.(粘弾性材料,制振合金)
(2)吸音材,遮音材の性能評価に数値解析を適用し,従来法では検討が難しかった問題についても精度のよい評価を行い,効果的な性能向上が可能であること
を示す.
(3)制振デバイスについて,実用的で目的に応じた設計方法を提案する.機能性流体を用いたデバイスについても,その評価・設計法について示す.
(4)耐震問題や微小構造物など応用分野に適した制振材料・デバイスの評価・設計法を提案する.
・全体分科会の開催
(1)上記調査研究活動で得られた技術情報の提供
調査研究の中間報告会,最終報告会の実施
(2)技術分野別ごとの最新情報の提供
(3)実用的な技術の紹介,技術相談,情報交換の実施
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