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RC234


 
1. 分科会名称

『燃料の多様化と低環境負荷動力システムの適合性に関する研究分科会』

2. 主査名 山根 浩二(滋賀県立大学 工学部 教授)
3. 設置期間 2007年4月〜2009年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 エネルギーセキュリティーの観点から,各種動力システムでは,埋蔵量に余裕のある石炭,天然ガスなど石油代替資源の利用拡大が求められる.さらに,即効性の高いCO2排出削減策として,ライフサイクルでの熱効率の向上と同時に,バイオマスあるいは自然エネルギーなど再生可能資源の利用も必要である.このような背景から,近い将来には主に輸送用燃料としてGTL,DME,バイオディーゼル(FAME),BTL(Biomass to Liquid),水素化精製植物油,水素など,多様な新燃料が実用化段階に入ると考えらる.そのため,これら新燃料の物理的・化学的特性を把握するとともに,これらを従来システムへのレトロフィットによって利用するのではなく,新燃料の特性を充分活かすことのできる新しい低環境負荷動力システムを開発する必要がある.
 以上のような中長期的課題と併せて,現行燃料機関の極低エミッション化は喫緊の課題であり,HCCI燃焼に代表される新燃焼方式と,超低硫黄軽油を利用した高度な後処理システムの開発および実用化が求められている.
 そこで本研究分科会では,@多様化する新燃料に適合した次世代動力システムおよびその要素技術開発,Aバイオ燃料の導入によるライフサイクルCO2の低減,B従来燃料ベースでの将来規制値クリアに向けた革新的技術開発について検討を行う.具体的には,化石燃料系のGTL,DME,およびバイオ燃料系のFAME,BTLなどの新燃料と超高効率機関の適合,超低硫黄軽油を用いたクリーンディーゼルエンジン,水素を2次エネルギーとする燃料サイクルの導入をふまえた燃料電池の開発,新燃料供給システム開発指針の検討を行う.


5. 期待される研究成果 
 石油依存度軽減と環境負荷低減の双方に実効がある動力システムの開発には,従来型化石燃料を含めた多様化する燃料と動力システムの適合が不可欠であり,本分科会において実現可能性も考慮しながら総合的にその技術開発に取り組むことは工学的・工業的に意義深い.すなわち,燃料と動力源の適合化には物理的・化学的燃料特性,燃焼反応機構,燃焼モデル等に関する基礎的知見と,燃焼制御技術,排気後処理技術,燃料供給技術,燃料ハンドリング技術,および直接エネルギー変換技術に対する新たなブレイクスルーが必要であり,その成果は我が国の環境問題・エネルギー問題に関連し,新たな産業創生と持続的発展に寄与する.

6. 参加負担金 40万円(年間)×2年 
7. 問合せ先

分科会幹事:河崎 澄
 滋賀県立大学工学部機械システム工学科
 〒522-8533 滋賀県彦根市八坂町2500
 TEL/FAX 0749-28-8375
 E-mail kawasaki@mech.usp.ac.jp



 


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