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RC238


 
1. 分科会名称

 『数値解析と計測による燃焼技術の発展に関する国際協力研究分科会』

2. 主査名  冨田栄二  (岡山大学 大学院自然科学研究科 産業創成工学専攻 教授)
3. 設置期間  2008年4月〜2010年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 燃焼を利用したエネルギ変換技術は,エンジン,ガスタービン,ボイラ,工業炉,民生用燃焼機器など工業的に広く利用されているが,有害燃焼生成物質の低減及び二酸化炭素排出量の抑制と熱効率向上の両立に対する要求はますます厳しさを増している.これら燃焼機器の技術開発にとって燃焼過程の解明は欠かすことが出来ず,レーザなどを使った診断と数値解析を駆使した燃焼の物理的・化学的解明に対する企業の要望は強い.本分科会活動ではこれらの要求に対し,基礎研究分野の進展で寄与する.燃焼制御を行うのに必要な情報(制御因子)の抽出,それをリアルタイムで得るための計測手法,さらにその情報を基に数値制御するための数理モデルの開発・検証を行う.前分科会のRC226では,筒内ガス流動について別途WGを設けて議論の場を作った.本分科会では,燃料〜空気混合過程と着火過程のWGを設けることを検討する.これらの課題設定と解決のためには産学連携が不可欠であり,燃焼の計測と数値解析の専門家から構成される本分科会のような組織が必要である.
 また,二酸化炭素排出削減は地球規模の課題であり,これに対処するため,国際協力および国際交流が欠かせない.これまでの分科会活動を通じ,IEA(国際エネルギ機関)において緊急課題として取り組まれている共同研究「燃焼における省エネルギと環境保全研究」へ参加して情報交換をするとともに,日本の国際貢献への責務を果たしてきた.近年の急速な技術革新の動向を捉え,さらなる寄与を行うため,毎年開催される研究集会への委員派遣,IEA参加国を中心とした研究機関の訪問と研究者交流,国際共同研究の推進も本分科会の重要な柱である.これにより公表前の研究成果をいち早く入手でき,参加企業の技術開発への最新情報の提供を可能にする.
 また,日本近隣の東アジア諸国の経済発展は目覚しく,燃焼研究も発展してきている.これらの国々と情報交換をしていく必要がある.また,東南アジア諸国との情報交換と研究開発への技術的サポートなど日本への期待は大きい.これらへの対応は単独企業や機関では困難であり,産学連携の本分科会を介して研究者・技術者交流を支援し,参加企業との情報交換を推進する.

【上期 第1年度(2008年4月〜2009年3月)】

1.  幹事会 年6回開催
2.  分科会 年6回開催 (2回の見学会を含む)
3.  ワーキンググループ活動
4.  IEA主催の研究者会議への委員派遣(年3回,計7名)
5.  海外研究者との交流会(随時)
6.  英文Activitiesの刊行による研究内容の海外紹介
7.  IEAの研究集会の内容報告及び報告集の刊行
8.  会社側委員からの新成果・問題点・製品紹介発表会を開催(随時)

【下期 第2年度(2009年4月〜2010年3月)】

1.  幹事会 年6回開催
2.  分科会 年6回開催(2回の見学会を含む)
3.  ワーキンググループ活動
4.  IEA主催の研究者会議への委員派遣(年3回,計7名)
5.  海外研究者との交流会(随時)
6.  IEAの研究集会の内容報告及び報告集の刊行
7.  会社側委員からの新成果・問題点・製品紹介発表会を開催(随時)
8.  研究報告書の刊行と報告会の開催
9.  燃焼とその計測法・数値制御に関する国際ワークショップの計画

5. 期待される研究成果 
 二酸化炭素排出量削減など,世界的に厳しい環境保全要求に対応するため,産業界と学会,さらに行政を含めた合理的な規制値の設定と,それに対応した高度な燃焼制御技術の開発とが必要である.このためには,燃焼に関する高度の計測技術や数値解析手法など基盤的な情報が要求されており,産学の密接な協力の下に研究開発を進める必要がある.また,このような基盤的研究においては,研究開発の最前線にいる企業委員からの問題点の指摘や計測・数値解析に関わるニーズのフィードバックが極めて重要であり,本分科会の役割は大きい.

(1) 基盤的・先端的情報の提供: 本分科会で得られる委員からの基盤的および先端的情報は,次世代の環境対応型燃焼技術開発の推進に有用である.
(2) WG活動による産学連携: 参加会社の希望に基づき,燃焼制御を行うための計測手法とその情報を基に数値制御するための数理モデルの開発・検証を行う.
(3) 国際交流および国際協力:IEAにおける国際協同研究への参加は,先進国としての我が国の国際的な貢献を果たすことになる.また,参加企業としては,IEAの活動に積極的に参加している会社として報告書に記載され,社会に対するPR効果も期待できる.さらに,東アジアや東南アジア諸国の研究者と連携し,燃焼制御技術指導や意見交換を通じ地球規模での環境保全と資源保護運動に貢献する.
(4) 海外からの情報の迅速な提供:海外の先端的な情報をいち早く入手し提供する.得られた情報を具体的に活用するために,随時,研究者側委員と会社側委員の情報交換の場を設ける.

6. 参加負担金  40万円(年間)×2年 
7. 問合せ先

 分科会主査: 冨田栄二 
  岡山大学 大学院自然科学研究科 産業創成工学専攻
  〒700-8530 岡山市津島中3−1−1
  TEL: 086-253-3407  FAX:086-251-8266 
  Email: tomita@mech.okayama-u.ac.jp



 


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