社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC247


 
1. 分科会名称

 『光応用計測と数値解析による革新的燃焼技術の進展に関する国際協力研究分科会』

2. 主査名  冨田栄二 (岡山大学)
3. 設置期間  2010年4月〜2012年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 エンジン,ガスタービン,ボイラ,工業炉,民生用燃焼機器などは工業的に広く利用されている.これらの燃焼を利用したエネルギー変換技術に関して,有害燃焼生成物質の低減及び二酸化炭素排出量の抑制と熱効率向上の両立に対する要求が一段と厳しくなっている.燃焼機器の技術開発にとって燃焼過程の解明は必要不可欠で,レーザなど光を応用した診断と数値解析を駆使した燃焼の物理的・化学的解明に対する企業の要望は強い.本分科会ではこれらの要求に対し,基礎研究分野の進展で寄与する.燃焼制御を行うのに必要な情報(制御因子)の抽出,それをリアルタイムで得るための計測手法,さらにその情報を基に数値制御するための数理モデルの開発・検証を行う.
 また,二酸化炭素排出削減という地球規模の課題に対処するため,国際協力・国際交流が欠かせない.これまで,IEA(国際エネルギー機関)の燃焼グループにおいて緊急課題として取組んでいる国際的共同研究「燃焼における省エネルギーと環境保全研究」へ参加して情報交換とともに,日本の国際貢献への責務を継続して果たしてきた.この活動は国際条約で規定されており,参加することの意義・重要度は非常に高い.2009年から韓国が新たに参加し,先進諸国13カ国(米国,英国,ドイツ,フランス,イタリア,スウェーデン,ノルウェー,フィンランド,スイス,ベルギー,カナダ,韓国,日本)で構成されているが,2009年は中国もオブザーバーで参加し,正式な加盟も近い.近年の急速な技術革新の動向を速やかに捉え,さらなる寄与を行うため,毎年開催される研究集会への委員派遣,IEA参加国を中心とした研究機関の訪問と研究者交流,国際共同研究を推進する.これにより公表前の研究成果を早く入手でき,参加企業への最新情報の提供を可能にする.
 さらに,韓国や中国では産業が急速に発展するとともに,大学や国立研究所などの施設も整備され,充実度が増しており,研究のレベルも近年は著しく発展している.しかしなお,東アジア諸国や東南アジア諸国との情報交換と研究開発への技術的サポートなど日本への期待は大きい.これらへの対応は単独企業や機関では困難であり,産学連携の本分科会を介して研究者・技術者交流を支援し,参加企業との情報交換を推進する.

5. 期待される研究成果 
 二酸化炭素排出量削減など,世界的に厳しい環境保全要求に対応するため,産業界,学会,行政による合理的な規制値の設定と,それに対応した高度な燃焼制御技術の開発とが必要である.このため,燃焼に関する高度な光計測技術や数値解析手法など基盤的な情報が要求されており,産学の密接な協力の下に研究開発を進める必要がある.また,このような基盤的研究においては,研究開発の最前線にいる企業委員からの問題点の指摘や計測・数値解析に関わるニーズのフィードバックが極めて重要であり,本分科会の役割は極めて大きい.本研究分科会活動で期待される成果は以下の通りである.

(1) 基盤的・先端的情報の提供: 本分科会で得られる委員からの基盤的および先端的情報は次世代環境対応型燃焼技術開発の推進に有用である.
(2) WG活動による産学連携:参加会社の希望に基づき,燃焼制御を行うための計測手法とその情報を基に数値制御のための数理モデルを開発・検証する.引き続き,ガス流動WGでは計算と実験の相違点の吟味・検討等を行う.その後,化学反応・着火のWGを考える.
(3) 国際交流および国際協力:IEAの国際協同研究への参加は日本として国際的に貢献している.IEAの国際共同研究への参加は国際条例遂行の重要な活動であり,国際的な貢献となる.企業は,IEAの活動に積極的な会社として認知され,社会的なPR効果がある.また,東(南)アジアの研究者と連携し,環境保全と資源保護に貢献する.
(4) 海外からの情報の迅速な提供:海外の先端的な情報を迅速に入手・提供し,随時,研究者側委員と会社側委員の情報交換の場を設ける.

6. 参加負担金  40万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 分科会主査:冨田栄二(岡山大学大学院自然科学研究科産業創成工学専攻)
  TEL:086-251-8049
 FAX:086-251-8266
  Email:tomita@mech.okayama-u.ac.jp


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