社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC249


 
1. 分科会名称

 『多軸多機能工作機械の先進化技術に関する研究分科会』

2. 主査名  帯川利之 (東京大学生産技術研究所)
3. 設置期間  2010年4月〜2012年3月(2年間)
4. 活動目的・内容


【研究目的】

 多軸工作機械は、生産性の飛躍的向上に貢献してきたが、近年では、多機能化による革新的な性能向上が求められている。これを高度なレベルで実現するためには、機能に適合した工作機械の静・動特性、熱特性、運動特性ならびに制御性の飛躍的な向上が必要である。また多軸多機能工作機械の先進化に関しては、周辺技術も含めた総合的な技術の発展が不可欠であり、具体的には、以下の技術を中心に、重点的な研究開発を行う必要がある。

1)構造設計・結合技術
2)回転・旋回駆動機構設計技術
3)制御技術
4)CAM・切削加工技術
5)工具・ツーリング技術
6)シミュレーション技術
7)性能評価技術
8)その他の機能拡張技術

 これらの技術には、多軸多機能工作機械構造内に数多く存在する案内・結合部とインターフェースの各特性が横断的に関連している。
 本研究分科会では、多軸多機能工作機械における上記の技術課題について共同研究を行うことにより、その高度化ならびに先進化のための案内・結合部の基本設計原理を明らかにするとともに、革新的な多軸多機能工作機械を創出するための新しい設計技術、製造技術、制御技術、評価技術ならびに利用技術・機能拡張技術を確立するための研究開発に取り組むことを主目的とする。

【研究活動の概要】

【上期 第1年度(2010年4月〜2011年3月)】
(1)上述の8つの技術課題に関連する以下の技術関連分野から調査研究にアプローチし,その結果について関連の委員により話題提供を行い,議論する.
 ・固定・着脱結合技術:ボルト締結部,カップリング,ツーリングシステムなど
 ・直線・回転/旋回案内技術:直進送り駆動系,回転・旋回駆動系など
 ・加工プロセスインターフェース技術:加工技術,CAM,切りくず処理,クーラント供給技術など
 ・結合部の最適配置設計とその性能評価技術
 ・多軸複合機用アクチュエータとその制御技術
・多軸複合機設計シミュレーション技術
(2)企業・大学をそれぞれ訪問し,実際の研究・開発状況を見学し,議論する.
(3)共同研究テーマを選び,具体的な試験研究を開始し,公募型補助金を申請する.

【下期 第2年度(2011年4月〜2012年3月)】
(1)共同研究を押し進め,公募型研究補助金の申請等を行える体制を整える.
(2)研究分野ごとの議論を深め,全体会議で報告,意見交換を行うとともに,企業・大学双方の見学も行う.
(3)試験研究を共同して行うとともに,公募型補助金を申請する.
(4)研究成果のとりまとめを行う.

5. 期待される研究成果 
 本研究分科会で対象とする,多軸多機能工作機械の研究は、当該工作機械の設計・製造技術に関する具体的な問題点を解決し,その性能の高度化・先進化を実現しようとするものであり,分科会活動の遂行によって得られる研究成果は,産業界における当該機械の高性能化に直接貢献できる.また,多軸多機能工作機械の構成要素を対象とする本研究活動の成果は,工学的に,広く工作機械の一般的な設計原理に適用可能であり,得られた成果を整理,体系化することにより,工作機械分野における設計・製造技術の向上に寄与するところが大きいと考えられる.

6. 参加負担金  30万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 分科会主査:帯川利之
  東京大学生産技術研究所
   TEL:03-5452-6771
  E-mail:obikawa@iis.u-tokyo.ac.jp


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