一般社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC258


 
1. 分科会名称

 『次世代シミュレーションソフトウェア検証評価に関する研究分科会

2. 主査名  大島 伸行 (北海道大学
3. 設置期間  2012年4月〜2014年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 近年、数値シミュレーションの工学への応用は目覚しく、たとえば、数値流体力学(CFD)分野では乱流、燃焼反応流、混相流などへの適用も実用化しつつある。これら次世代シミュレーションの工学設計応用(すなわちCAE)には、汎用的に実用化されたソフトウェアが必須であるが、一方でその詳細がユーザに対してブラックボックス化する懸念がある。実設計における複雑問題を扱うために解析モデルや数値解析法の新たな提案、改良が絶えず行われているが、それら最新シーズに関する実用的な技術資料は必ずしも普及しておらず、予測精度や信頼性などの検証評価も容易ではない。特に国際的競争力のあるCAE関連ソフトウェアが海外資本により寡占統合されつつある状況において、企業・研究者ともに一定の技術レベルを維持することにより次世代CAE技術の開発・利用のイニシアチブを確保し続けることが従来にも増して重要と考える。
 そこで前分科会(RC-D4、RC-D9)では,参加企業のニーズを基に、乱流LESなどの機械設計に有用な次世代CAE技術の代表的な工学応用課題を選定し、複数の研究者らが協力して実用ソフトウェアを用いた調査・評価を行ってきた。本分科会では,この成果をもとに、主にわが国の次世代CAEソフトウェア開発シーズの研究者らと産業界ユーザの協力体制を確保し、普及展開にむけた共通技術の実証検証と新技術の開拓評価を行う。

5. 期待される研究成果 
 実務者レベルでのCAEソフトウェア開発研究者と産業界ユーザの協調体制が確立できる。このことによりソフトウェア開発研究者は、産業界ニーズに直結した実機レベルの解析対象で精度検証と開発へのフィードバックが可能となる。産業界ユーザは、各種CAEソフトの物理モデルの理解を通してCAE技術に対するレベルアップがはかれる。さらに将来的なCAEソフトやハードの導入や既存HPCインフラの利用戦略を立てることができる。
工学的課題の例: 
・外部流剥離流れ予測における乱流モデル評価
・乱流燃焼モデルの比較・評価
・燃料電池,反応槽などの複雑熱流動場の解析モデルの比較・評価
・スパコンやクラウドシステム利用を想定した大規模熱流体解析の実用性
・格子生成に関わる解依存性などの技術評価
工業的課題の例: 
・高度CFD技術の実用問題への具体的な適用法
・実用CFDにおける信頼性の評価法
これらにとどまらず、他の分野、課題についても企業委員などからの積極的なご提案を歓迎する。
6. 参加負担金  20万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 大島 伸行 北海道大学 大学院工学研究科 教授
  (主査)  TEL: 011-706-6722, FAX: 011-706-6722, e-mail: oshima@eng.hokudai.ac.jp
        住所: 〒060-8628 北海道札幌市北区北十三条西8


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