一般社団法人日本機械学会
イノベーションセンター 研究協力事業委員会所属分科会

RC265


 
1. 分科会名称

 『高密度エレクトロニクス実装における信頼性評価と熱制御に関する研究分科会』

2. 主査名  石塚 勝 (富山県立大学
3. 設置期間  2014年4月〜2016年3月(2年間)
4. 活動目的・内容

 
 
電子デバイスの高密度化,高集積化が進み,製品の信頼性はこれまで以上に求められている.電子機器実装における信頼性は,温度上昇に伴う半導体の信頼性低下,発熱に起因する熱応力による破壊,製造プロセスにおけるばらつきに起因する電気特性の不安定性など,材料・熱・電気が複雑に関っている.
 特に,近年発展している電気自動車などパワーエレクトロニクス分野においては,電子部品からの発熱が大きな環境で小スペースに複雑なシステムを配置し,その信頼性を確保する必要があり,これまで以上に信頼性の確保が難しい環境下での実装が求められている.つまり,近年の電気機器実装における信頼性確保のためには,多種多様な分野の研究者や技術者が協力体制を築き,複雑なシステムを実現する必要性がある.
 このような電子機器実装技術の動向に対応するために本研究分科会を設置し,次世代エレクトロニクス実装における実装プロセス、信頼性設計と熱制御に関する基本技術を開発する.

5. 期待される研究成果 
研究者の研究により,以下の成果が期待される.
・ 結晶構造およびマイクロ欠陥を考慮したマイクロはんだ接合部の疲労信頼性評価手法の確立
・ はんだ材料の実使用条件における複雑な疲労特性の評価手法の確立
・ 接合界面構造を考慮した異種材接合構造の信頼性評価手法の確立
・ 多軸応力を受けるマイクロはんだ接合部などの疲労寿命評価手法の確立
・ 樹脂材料の硬化プロセスの特性評価技術の確立
・ 樹脂材料薄膜のせん断特性評価方法の確立
・ ナノ(Ag, Cu等)材料の特性評価技術の確立
・ パワーモジュールのPower Cycle信頼性評価の標準化
・ マイクロはんだ接合部の非線形材料特性の計測手法の確立
・ 鉛フリーはんだのマイクロ構造の非線形材料特性データベースの構築
・ 複雑な負荷履歴を受ける鉛フリーはんだ接合部の疲労寿命のデータベース構築
・ デジタル相関法を用いたマイクロ接合構造のひずみ計測方法の確立
・ 実装部品における信頼性ばらつき評価技術の確立
・ 上流設計のためのマイクロ接合信頼性データベースの構築
・ 超長チャンネルを用いた水冷技術の開発
・ 非定常熱輸送現象を考慮した熱設計手法の確立
・ マイクロスケールにおけるホットスポット予測技術の確立
・ 複合材料の有効熱伝導率予測技術の確立
・ 接触熱抵抗の予測手法の確立
・ 相変化を利用した新しい冷却技術の開発
・ サーマルビアの効果的利用手法の確立
・ オープンソースを利用した設計技術の信頼性評価
・ 異方性異種材接合角部の応力拡大係数のデータベース構築
・ 樹脂基板の熱履歴下における反りのヒステリシスの解析技術の確立
・ 少数結晶よりなるはんだ接合部の強度に対する結晶粒方向依存性の解明
・ 半導体デバイスへの機械的負荷によるデバイス特性変動の解明
・ 三次元実装の機械的信頼性評価手法の確立
・ 金属ナノワイヤを用いた電子部品接続技術の開発
・ 微細電子配線におけるエレクトロマイグレーション損傷の推定手法の開発
・ 低コヒーレンス干渉計を用いたひずみと応力のマイクロ断層計測手法の確立

 上記成果によって,以下のような波及効果が期待される.

 工学的効果:
・ 現場の声を反映した実用的な信頼性評価手法の確立
・ 材料や熱など異分野の研究が融合することによる新しい複合領域研究課題の発見
・ 実装で幅広く利用可能なデータベースの構築

 工業的及び波及効果:
・ 信頼性の観点から,世界的に競争力のある部品及び製品開発
・ 業界団体の規格設定
6. 参加負担金  50万円(年間)×2年 
7. 問合せ先


 石塚 勝 富山県立大学 工学部 機械システム工学科 教授
  (主査)  TEL: 0766-56-7500内線387, FAX: 0766-56-6131, e-mail: ishizuka@pu-toyama.ac.jp
        住所: 〒939-0398射水市黒河5180


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