部門紹介
103期 部門長挨拶
![]() |
第103期部門長 |
このたび、店橋護前部門長(東京科学大学)の後任として、第103期計算力学部門長を拝命いたしました、近畿大学の和田義孝でございます。深潟康二副部門長(慶應義塾大学)、守裕也部門幹事(電気通信大学)、武居周副部門幹事(宮崎大学)、ならびに部門運営委員会委員、各種委員会、研究会の皆様をはじめ、計算力学部門に関係するすべての皆様のご協力を賜りながら、部門の円滑な運営およびさらなる発展に尽力してまいりたいと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
日本機械学会員における計算力学部門への登録者数は、2025年4月現在、第1位から第5位までの合計で5,170名(正員)に達しております。これは、日本機械学会23部門の中で第3位の規模に相当いたします。部門講演会である「計算力学講演会」は、最新の研究成果の発表と、それを通じた研究者間の情報交換を目的に開催され、部門活動の活性化に寄与しております。有料参加者数は例年500名を超え、この規模は日本機械学会各部門講演会の中でも上位に位置し、部門の活動が非常に活発であることを示しております。
2024年度には、第37回計算力学講演会が石本淳先生(東北大学)を実行委員長として、2024年10月18日(金)から20日(日)にかけて宮城県仙台市のトークネットホール仙台にて盛大に開催されました。続く2025年度には、第38回計算力学講演会を吉野正人先生(信州大学)を実行委員長として、2025年9月24日(水)から26日(金)に長野県長野市信州大学にて開催する予定でございます。
国際連携企画としては、2023年に復活した日韓シンポジウム(KSME-JSME Joint Symposium on Computational Mechanics & CAE)が、2024年9月1日(月)から3日(水)まで東京ベルサール 有明コンファレンスセンターにて開催されました。3つのパラレルセッションで研究・技術発表を通じて有意義な交流が行われました。本年度は2025年8月21日(木)から23日(土)にかけて韓国光州にて開催されます。多くの皆様にご参加いただき、国際交流活動をさらに活発化していただければと存じます。
分野連携企画としては、材料力学部門との合同開催による「M&M・CMD若手シンポジウム2025」が、2025年8月27日(水)から29日(金)にかけて名古屋にて開催されます。本シンポジウムでは、若手研究者による発表セッションを通じて研究交流・情報交換を促進するとともに、中堅・シニア研究者との議論や基調講演等を通じて、若手研究者が研究分野の幅を広げる機会を提供することを目指しております。また、優れた発表については、日本機械学会英文ジャーナル(Mechanical Engineering Journal)にて特集号として出版される予定でございます。
計算力学部門では、研究会活動も非常に活発に行われております。現在、逆問題解析手法研究会、マルチスケール計算固体力学研究会、電磁流体解析関連技術研究会、設計と運用に活かすデータ同化研究会、設計情報駆動研究会が活発に活動しております。これらの活動を通じて各分野の研究がさらに発展することを期待しており、部門としても引き続き支援してまいります。
また、講習会活動も盛んに行われております。なかでも、計算力学技術者2級(固体力学分野の有限要素法解析技術者)認定試験対策講習会は、約20年にわたり継続的に開催されております。これは「計算力学ソフトウェアの品質保証および計算力学技術者の力量管理」という目的のもと実施されており、産業界においてもその認知が進み、認定者数は堅調に増加しております。受講者の多くは、認定試験合格を目指す産業界の方々であり、本部門の活動が産業界においても広く認知されていることを示しております。
計算力学に関連するAI・DX技術のブームは、今から10年ほど前より活発化してまいりました。基礎的な知識は計算力学と共通しておりますが、情報技術特有の技術や応用方法については新たに学ぶ必要がございます。一方、カーボンニュートラルをはじめとするさまざまな社会課題への対応策として、AI・DX技術の応用が注目されております。計算力学分野にこれらの技術を適用するためには、俯瞰的な理解を多くの方々と共有することが重要です。
今後、計算力学部門がこのような課題解決に向けた重要な情報収集・交換の場となるとともに、部門の活動を通じて新たな技術課題・研究課題の提言や、新しい学問領域・ビジネスの創出へとつながるよう尽力してまいります。引き続き皆様のご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
