趣旨

 第26回設計工学・システム部門講演会を慶應義塾大学日吉キャンパスで開催致します。

 社会のグローバル化が進展する中で、さまざまな分野においてシステムの大規模、複雑化が進んでいます。一方で、モノや機能の飽和から単一商品の大量生産の時代は終わり、ユーザの多様な要求や価値感を考慮したモノつくりやサービスの提供が求められる時代に移りつつあります。設計工学、システム工学の目的も、機能やモノの製造から価値の創造へと変化し、社会や産業の構造そのものが大きく変化してきていると言えます。
 特に最近のIoT(Internet of Things)のコンセプトの広がりは、単にモノとIT技術が融合するだけではなく、家電、自動車、エネルギー、ヘルスケア等の様々な分野でビジネスイノベーションを引き起こし、新たな社会価値の創造を生んでいます。またこのような社会の変化に対して、一過性のブームとして流されるのではなく、現状をしっかりと見極めながら、正しい方向へと発展させていくためにも、設計工学・システム部門の活動は、ますます重要になってきていると思います。
 本講演会では、大学、研究機関、企業、あるいはユーザ等のいろいろな立場で、設計工学、システム工学に関する幅広い分野にわたる、有意義な議論や情報交換が行われることを期待しています。研究発表のセッションでは、例年通り多くのオーガナイズドセッションを企画していただきました。また企業展示では、IoT分野も含め多くの企業に展示を依頼しています。新しいアイデアは、実際にモノやサービスを体験してもらうことで、本当の価値が伝わります。D&Sコンテストでは、多くの方々に発表をしていただき、アイデアの共有の場にしたいと思っています。講演会に先立って行われる見学ツアーでは、物流における高付加価値ターミナルとして注目を集めている、ヤマト運輸の羽田クロノゲートの見学を企画しています。

 ぜひ多数の皆さまにご参加いただきますよう、よろしくお願い致します。

実行委員会 小木哲朗