CD-ROM版講演論文集のための

原稿作成・投稿の手引き

平成10年4月11日

 日本機械学会では,各部門・支部にて主催される講演会論文集を作成する際の指針を,情報の電子化に対応していくために変更いたしました.講演論文集を電子化しCD-ROMにて発行するには,論文投稿者の皆様のご協力によるCD-ROM用論文原稿の準備が最も重要になります.そこで,日本機械学会では著者の論文作成を手助けするために,「原稿作成の手引き」「ワープロ文書テンプレート(スタイルシート)」を用意いたしました.

 本手引きの構成は,

  1. 研究発表に関する規程
  2. 講演論文集の電子化・全体の流れ
  3. CD-ROM版講演論文集書式
  4. 講演原稿の作り方
  5. 講演原稿の投稿方法

 となっています.各項目には,論文作成上必ず守っていただきたい規程と,このように書くとよいという執筆上の目安をまとめました.論文執筆の前に,必ずご一読ください.

 

研究発表に関する規程

(平成元年3月7日制定)


 
発表内容 発表論文は原則として未発表のものとする.

(注:講演会によっては,複数の既発表論文をまとめた研究発表を募集する場合もある.)
発表者の会員資格 発表者は原則として本会会員(正員,准員,学生員)とする.ただし,講演会企画者が認める場合はこの限りではない.
発表論文の採択 研究発表の採択は講演会の企画責任者が行う.
発表内容の責任 発表論文の内容についての責任は著者が負うものとする.

研究成果の先取権

(プライオリテイ)

/原著

未発表の研究成果を発表した場合,その内容について先取権が発生する.先取権が発生したものを原著(Prior Publication)と呼ぶ.先取権は,原著のページ数の多寡にかかわらず,それを掲載した印刷物が発行された日に発生する.

(注:本会主催または共催の講演会で発表した講演内容が原著であっても,著者自身がそれを「日本機械学会論文集」または「JSME International Journal」のいずれかに投稿することができる.)
著作権 講演会において発表された講演印刷物の著作権は本会に帰属する.

ただし,著作者自身が自分の講演印刷物の全文または一部を複製,翻訳,翻案なとの形で利用する場合,これに対して本会では原則杓に異議申し立てをしたり妨げる事はしない.第三者から,講演印刷物の複製あるいは転載に関する許諾の要請があり,本会において必要と認めた場合は,著作者に代わって許諾することがある.
原稿作成ならびに訂正 原稿は,講演会企画者が用意または指定する用紙を用いて作成する.

原稿提出後の訂正は,原則として本質にかかわらない単純ミスの訂正以外認められない.
講演者変更または代読 講演者の変更または代読が必要になった場合は,その理由を付して書面により申し出る.その可否は講演会企画者が決める.

(注:代読の場合は,会場での討論において十分に回答できる者とする.その依頼は著者の責任において行う.)
講演発表の取り止め 講演発表取り止めを希望する場合は,その理由を付して書面により申し出る.

(注:取り止めの申し出が講演論文集印刷後である場合,講演会企画者はその講演印刷物の印刷実費を請求することができる.)

電子版の規定を作成する必要があるのではないか

講演論文集の電子化・全体の流れ

 講演論文集のCD-ROM化に際しては,電子フォーマットとしてPDF (Portable Document Format)を採用します.PDFはアドビシステムズが開発した,インターネット世代のページ記述フォーマット(ページを画面上で見たり印刷するための命令体系)です.このPDFを作成したり,表示したりするのに必要なソフトウェアの一群がAcrobatです.PDFファイルを表示・印刷するには,Acrobat Readerというソフトウェアが必要になりますが,このAcrobat Readerは代表的なオペレーティングシステム(OS)に対応したものが無償で利用できます.また,講演論文集のCD-ROMにも,Windows用とMacintosh用のAcrobat Readerが付属します.

 講演論文集をPDFにより作成するメリットは,

 等があります.

 著者は,論文を作成するにあたってPDFを意識する必要はありません.これまでの論文原稿準備段階で切り貼り等を利用した工程があるようでしたら,この工程を全て電子化しコンピュータ上で論文原稿の作成・仕上げを行っていただくようお願いいたします.

 電子的に論文を作成し論文を投稿するまでの流れの概略は,

  1. 論文の中身(文書,グラフ,図,数式,写真,動画,音,等)をそれぞれデジタルデータ化する.
  2. 各素材を,ワープロ書類に貼り込みレイアウトする.
  3. レイアウトの仕上がったワープロ書類を印刷・保存し,ワープロの文書ファイルをインターネット経由で投稿するか,ディスクで郵送する.
    また,印刷したものを印刷見本として郵送する.

 となります.(図1参照)
 

論文投稿時に必ず提出していただくもの

レイアウトの仕上がったワープロ書類ファイル(ネットワーク経由 or 郵送)
上記ファイルを印刷した印刷見本(郵送)

注 意

論文集は最終的にPDFにて作成いたしますが,諸般の事情により現時点では,PDFによる論文受付は行いません.必ずワープロの文書ファイルにて投稿してください.

 

講演原稿の作り方

利用できるワープロ・ページレイアウトソフト

 平成10年4月現在,論文投稿に利用できるワープロソフト・ページレイアウトソフトは,表1のとおりです.ソフトウェアのバージョンアップ等により対応するソフトは,随時変更されますので,その都度ご確認ください.

表1 論文投稿に利用できるワープロソフト・ページレイアウトソフト

ソフトウェア名

Windows 版

Macintosh 版

その他

マイクロソフト

ワード

5.0

6.0 / 95

97 / 98

6.0

×

アドビ

ベージメーカー

5.0

6.0

6.5

5.0

6.0

6.5

×

ジャストシステム

一太郎

5

6 / 6.3

7

8

5

×

アスキー

TeX

ポストスクリプトファイル

 この表に示されたソフトウェアについては,用紙設定,文字のスタイル等をすでに設定してあるテンプレートを用意してあります.論文原稿作成にあたっては,できるだけ最新のバージョンのソフトウェアと対応したテンプレートをご利用ください.

 この表に無いソフトウェアで論文投稿を行う場合には,講演論文集書式詳細にしたがって論文を作成していただき,出来上がったものをワープロの文書ファイルではなくポストスクリプトファイルに変換して投稿してください.

ポストスクリプトファイルの作成の項を参照)
 

ワープロ文書ファイルを用意できない場合には…

 これまで通りカメラレディの印刷原稿を郵送してください.講演会企画者がスキャナで読み取り,PDFへ変換して収録します.

 この場合,論文中の文字は検索ソフトウェア等で検索することができません.また,品質もワープロ文書ファイルを作成していただいた場合と比べて劣ります.

 

論文中で利用できるフォント

 PDFファイルへの変換時のトラブルを未然に防ぐため,文書中で利用できるフォントを表2に示したものに限定させていただきます.

 本文中はもちろん,図面やグラフの中に使われている文字についてもこの一覧に掲載されているフォント・飾りをお使いください.この表に無いフォント・飾りを論文中で利用した場合,PDFファイルの出来上がりが,意図したものと異なる可能性があります.

表2-1 論文中で利用できる英文フォント一覧

英文フォント名 飾り フォントサンプル
Courier Normal ABC abc 123 
Bold ABC abc 123
Italic ABC abc 123
Bold Italic ABC abc 123
Helvetica Normal ABC abc 123 
Bold ABC abc 123
Italic ABC abc 123
Bold Italic ABC abc 123
Times Normal ABC abc 123 
Bold ABC abc 123
Italic ABC abc 123
Bold Italic ABC abc 123
Symbol Normal ???????????
Zapf Dinbats Normal ???????????
表2-2 論文中で利用できる和文フォント一覧
書体   フォント名
明朝体 Windows MS 明朝
Macintosh 細明朝
Postscript リュウミンライト
ゴシック体 Windows MS ゴシック
Macintosh 中ゴシック
Postscript 中ゴシックBBB

注 意

表中に無いフォントを論文中に使用した場合には,文書ファイルと同時にフォントも添付して投稿してください.

 

 

執筆(テキスト入力)

 論文原稿の執筆には,本会で用意したワープロ用テンプレート(<MS-Word版><PDF版>)をできるだけご利用ください

 テンプレートには,論文中に必要となるスタイル(書式設定,段落設定等の文章の見栄え)が既に登録されています.所定の位置に文書を入力後,文書に該当するスタイルを適用してください.

 以下では,論文作成に最も多く使われているマイクロソフトワードでの作業を例に,論文の作成手順を説明します.マイクロソフトワード以外のワープロにでも,細かい手順は異なるものの作業の流れは同じですので,これを参考にしてください.

講演番号 Arial 14pt すべて大文字左揃え

タイトル 日本語タイトル:ゴシック・Arial 14pt センタリング

英語タイトル:Times 12pt センタリング

著者名・所属 日本語著者名・所属:明朝・Times 10pt センタリング

英語著者名・所属:Times 9pt センタリング

論文要旨

本文

ページ番号 Times 9pt センタリング

素材(図面・グラフ・数式・写真・動画・音)の用意

 論文には,文書以外に,図面,グラフ,数式,写真,動画,音といった素材をコンピュータ上でレイアウトする必要があります.CD-ROM論文集では,カラーの図画・写真を利用できることに加え,動画や音といったマルチメディア素材も参照することができます.

 これらの素材を論文集に収録するには,素材を適切なデジタルデータにする必要があります.素材のデジタルデータへの変換は,基本的には論文作成者自身で行ってください.

は,各講演会の企画者にご相談ください.

 以下に,各素材のデジタルデータへの変換に関する詳細を示します.

 

図面・グラフ

 論文中にレイアウトする図面・グラフは,できるだけドロー系のソフト*を利用して作成し,EPS形式にてレイアウトしてください.ペイント系のソフトを利用して作成した図面は,拡大したときにギザギザが目立ちます.

 EPS形式のファイルは,多くの場合,出来上がった図面をエキスポートすることにより作成可能です.詳しくは,各描画ソフトウェアの使い方等を参照にしてください.

*ドロー系のソフトの例:Corel DRAW,Illustrator,Canvas,クラリスドロー

数式

 数式は,マイクロソフトのワードやオフィスに含まれる数式エディタを利用して作成・入力してください.(マイクロソフトワードの標準インストールでは数式エディタはインストールされていません.カスタムインストールで数式エディタを選択し,インストールしてください.インストールを行っても,スタートメニューには登録されません.起動するには,数式エディタをスタートメニューに登録するか,ワードの挿入コマンドから数式を挿入してください.)

 マイクロソフトの数式エディタ以外のソフトウェアを数式作成に利用する場合には,フォントが特殊なため対応できない場合がありますので,数式を絵として挿入してください.

 数式には必ず式番号を設定します.このためには,数式の行に[数式]のスタイルを適用し,数式の後にタブを入力し続けて式番号を入力してください.右寄せのタブが数式スタイルには設定されていますので,式番号が左側にレイアウトされます.

写真

 写真は,解像度300dpi以下のビットマップファイル(フォーマットは,JPEG, TIFF, BMP等)で用意してください.

 写真は,スキャナーを使用して適切な解像度の画像データに変換します.次に,写真編集用のソフト**を利用して不要な領域を切り取ったり,微妙な色調などを調整して画像データを仕上げ,論文内に貼り込みます.

**写真編集用ソフトの例:PhotoShop, PhotoDeluxe,PhotoEditor

動画・音

 動画や音を論文中で引用するには,QuickTime形式で動画・音をデジタル化する必要があります.動画・音のソースとしては,ビデオ等のNTSCのものとコンピュータ上で作成したアニメーションがあります.

 ビデオ等からQuickTimeムービーを作成するには,NTSC信号をデジタルデータに変換するソフトウェアとキャプチャカードが必要です.詳しい作成方法は,ソフトウェア・ハードウェアのマニュアルを参考にしてください.

 ここでは,もっとも要求が多いであろう,コンピュータ上に表示した実験結果等のデータをパラパラアニメーションにする簡単な方法について説明いたします.

 QuickTimeの作成にあたり,さまざまな設定が可能ですが,特別なハードウェアを利用しなくても,WindowsでもMacintoshでも再生可能となるように,以下のように設定してください.

圧縮オプション シネパック(Cinepack) またはIntel Indeo Video

内部形式 single fork またはコンパクトにした

300KB/sec 以下

フレーム 15fps

オーディオ 8ビット22kHz モノラルまたはステレオ

オーディオインターリーブ 1フレームごと

ハイパーリンクの設定

 論文内の関連箇所間をハイパーリンクで参照できるようにしたり,特定のWebサイトへの参照をさせたい場合などのハイパーリンクを設定することができます.

 

 

レイアウト

 執筆したワープロ書類に添付素材を貼り込みレイアウトします.レイアウトの方法は,ご使用のワープロ・アプリケーションによって異なりますので,それぞれの方法に従いレイアウトして下さい.

ポストスクリプトファイルの作成方法

 ポストスクリプトファイルには様々な方言があります.実行委員会の方ですべてに対応することは不可能ですので,以下に推奨するポストスクリプトファイルの作成方法を示します.

Windows および Machintosh から出力する場合:

Windows95 の場合

    1. スタートメニューから『設定』,『プリンタ』を選択
    2. 『プリンタの追加』をダブルクリックしてプリンタウィザードを立ち上げる.
    3. 『次へ』を押す
    4. 『ローカルプリンタ』を選択して『次へ』を押す.
    5. 製造元として『Apple』を選択し,『Apple Laser Writer・・・』のいづれかを選択し,『次へ』を押す.
    6. 利用できるポートとして『File: ディスクにファイルを作成』を選択して『次へ』を押す.
    7. プリンタ名を適当に決め(デフォルトで良い),Windwos で通常のプリンタとして使いますかのところで『いいえ』を選択し,『次へ』を押す.
    8. テストページは印刷しますかのところで『いいえ』を選択し,『完了』.
    9. ここで場合によっては Windows95 の CDROM が必要になります.
    10. アプリケーションを立ち上げ出力したいファイルを読み込み,『印刷』を選択し,先程決めたプリンタ名を選択する.
    11. ファイルへ出力というチェックボックスを有効にし,『OK』を押す.
    12. ファイル名を講演番号.ps とし『OK』を押す.

Machintosh の場合

    1. 通常の印刷を行うと出てくるページ選択等のダイアログで"出力対象"を"ファイル"にする.
    2. "印刷"ボタンをクリックするとファイル選択のダイアログが出てくるので,ファイル名を論文番号.ps とする.また,同じダイアログ内にオプションの選択があるので,以下の通りに選択する.
    3. 「フォーマット: PostScript作業,ASCII,レベル1コンパチブルフォント: なし」
    4. "保存"ボタンをクリックしてファイルに保存する.
    5. Macintoshでは,通常,プリンタが使用できる状態にないとドライバのセットアップができません.PostScriptプリンタをお持ちでない方は,以下の手順でお試しください.

TeXを使用する場合

機械学会講演論文集原稿書式

用紙

A4 縦 295 X 210 mm

マージン

25 mm

25 mm

15 mm

15 mm

段組

段数

2 段

間隔

10 mm

フォント適用一覧

適用場所

日本語

欧文

標準のフォント

明朝体 9 pt

Times 9 pt

論文番号

 

Arial 14 pt

日本語タイトル

ゴシック体 14 pt

Arial 14 pt

英語タイトル

 

Times 12 pt

日本語著者名

明朝体 10 pt

Times 10 pt

英語著者名

 

Times 9 pt

キーワード

 

Times 9 pt

大見出し

ゴシック体 9 pt

Arial 9 pt

中見出し

ゴシック体 9 pt

Arial 9 pt

図・表の番号・タイトル

 

Times 9 pt


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