2回夏の学校:流体関連の振動現象の基礎

 

 

開催日 2004930()

会 場 東京工業大学 大岡山キャンパス

趣 旨 昨年度より機械力学、計測制御の分野の将来を担う学生や若い研究者を対象として、関連した学問(主として最新のものや基礎的なもの)にじっくり触れ、勉強してもらう企画「夏の学校」を実施している。第2回目の今回は、様々なプラント、冷熱空調等、多岐に亘る関連機器システムのトラブルの主要因の一つで、近年研究の発展の著しい「流体関連が関連したダイナミックス現象」を取り上げ、できるだけ平易に、しかし本学校卒業後はある程度設計、トラブル対応などの実務にも使える形で説明する。また最後には、本分野に取り組む専門家にお願いして、本分野の最先端や、今後やっていかないといけない課題がどこにあるのかをについてパネル討論し、会場の参加者とも議論する。

 

題目・内容・講師

930()

9:50-10:00/開校の挨拶

夏の学校 校長 金子成彦(東京大学)

10:00-10:50/流体関連振動の機器設計、運転、保守での重要性

班目春樹 (東京大学)

 流体関連振動に起因する亀裂、破断などの損傷事例は後をたたず、美浜原子力発電所の蒸気発生器彩管破断事象や高速増殖炉もんじゅの温度系保護管の破断事象に見られるように、経済的にも社会的にも損失となる事象が発生している。ここでは、様々な事例の紹介、それによりどのような損失が生じたかを説明することを通じて、流体関連振動研究がなぜ重要なのかについて説明する。

11:00-11:50/基本的メカニズムと大振幅振動を引き起こす自励振動

金子成彦 (東京大学)

 自励振動現象は、たとえば流速がある敷居値を超えると急激に振幅が大きくなる現象であり、設計上はそれが発生しないようにすることが重要である。ここでは、強制振動との理論上・現象上の違い、事例の紹介と負減衰・モード連成・遅れ系などの分類等について概説する。

13:00-13:50/不思議な挙動をする渦励振

中村友道(三菱重工)

 高速増殖炉もんじゅの温度系保護管の破断事象の原因ともなった渦励振は、カルマン渦が起因するものであるが、ロックインが発生したり揚力方向と抗力方向で発生条件が違ったり、不思議な挙動をする。ここでは単円柱、二円柱の渦励振の基本、事例について概説するとともに、日本機械学会で作成した評価指針についても概説する。

14:00-14:50/配管をパンクさせる水撃現象と圧力脈動

松田博行(千代田アドバンストソリューションズ)

 水撃は、管路を流れている液体流れを弁などで急激に止めたときに、液体がハンマのように弁などに衝突して圧力が急上昇する現象で、ときにはバルブや配管系に壊滅的なダメージを与える。ここでは、圧力脈動評価と水撃評価の基礎、および主な事例について概説する。

15:00-15:50/最新の研究課題に関するパネル討論

話題提供者:

森田良(電中研):発電プラント関連

姫野武洋(東京大学):航空宇宙関連

渡辺浩志(東京大学):生体系関連

黒田雅治(産総研):複雑系関連

佐伯壮一(山口大):伝熱との連成現象関連

 

定 員 50

聴講料

D&D参加者:学生員:1000円,一般学生:2000円,会員:6000円,会員外:12000

夏の学校のみ:学生員:2000円,一般学生:6000円,会員:12000円,会員外:18000

    (いずれも資料1冊分の代金を含みます)

申込方法 申込者1名につき、「D&D2004夏の学校参加申込み」と題記し、(1)氏名、(2)会員資格および会員番号(会員外で学生の場合は学校名と学年)(3)連絡先(含む電話番号、FAX番号、E-mailアドレス)をご記入の上、915()までに下記宛E-mailまたはFAXにてお申し込みください。定員に成り次第締め切らせていただきます。聴講料は下記の会場受付にてお支払いください。

927()929()D&D会場受付

930():夏の学校会場受付(東工大大岡山キャンパス内)

申込先・問合せ先

201-8511 東京都狛江市岩戸北2-11-1()電力中央研究所 原子力技術研究所 稲田文夫/電話(03)3480-2111FAX(03)3480- 2493E-mailinada@criepi.denken.or.jp