部門長退任のご挨拶

第78期部門長 金子成彦(東京大学)

 新学期の喧騒が終わり、五月の清々しい季節となりました。この1年間、部門活動の方向を時代が求めている方向へと向けることを考えて活動を続けてまいりました。最初に運営委員会にリエゾン制度を設け、関連学会の動向を運営委員の目を通じてニュースレター上で報告していただきました。従来から分科会形式での運営に特徴のあった当部門ですが、この方式は、新しい動きを取り入れにくいという負の側面を背負っていると感じていました。また、第78期は、当部門以外の5つの部門の部門長が当部門の活動をよくご存知であることから、他部門から見た当部門の活動について感じるままを寄稿していただきました。その中には、若手に向けての発信の仕方や部門運営に関する示唆に富む内容の記事が含まれていました。

 さて、部門長をお引き受けする際に活動方針として掲げた内容は、

    (1)年次大会およびD&Dにおける斬新な企画の創出
    (2)イコールパートナーシップ方式による合同企画の定着
    (3)技術伝承と知識の整理
    (4)ホームページの整備とこれを活用した教育活動の検討
    (5)講習会、新企画の検討
    (6)世代間の交流の促進

でした。まず、(1)については、日本生活支援工学会に日本機械学会の幹事部門として参画することにより、部門の研究活動の主軸の一つを福祉工学に伸ばすことに踏み出しました。D&D2001では、第1回「福祉工学シンポジウム」を企画したところ、85編の講演申し込みがありました。(2)については、第77期に日本音響学会との間に始まった交流が順調に育ちつつあります。今年は、日本機械学会が幹事を務める年で、VS Tech 振動・音響新技術シンポジウムが、「日本機械学会・日本音響学会共催シンポジウム」の形で広島で開かれます。(3)については、分科会活動レベルで、データベース活動や出版活動が活発化してきています。FIV研究会では、文献をデータベースの形式でまとめる作業を行っています。また、V_BASEデータブックの第2巻の発行も準備が始まっているようです。(4)については、第78期に部門ホームページの大幅整備を実行いたしました。新しいホームページが立ち上がってからのヒット数は部門登録者数に迫る数にまで達しました。今後ともホームページを充実させ、部門関連の情報はここからとって来れる位に充実させて戴きたいものです。特に、まだホームページをお持ちでない研究分科会の主査・幹事の先生方には、是非、研究分科会のホームページを立ち上げて、情報発信の場を作って戴きたいと考えています。なお、現在進行中ですが、IT教育、IT教材に関する活動も出版委員会を中心に開始しました。計算結果、画像、計算プログラムを始めとする教育教材を相互に提供し利用し、幅広い活動分野を持つ当部門の特徴をマルチメディア教材とIT教育に生かしたいものです。(5)については、「学生対象セミナー」と題する学部学生、技術者、シニア研究者向けのセミナーの企画が準備されています。(6)は、部門ホームページ上の「後輩へ向けてのメッセージ」のコーナーとして実現しました。これからも、大先達の先生方から若手に向けての励ましの言葉を期待しています。

 さて、1年間で実行に移せたことは、当初予定の80%位だと自己採点しています。小生のアイデアの実現にご協力戴いた、川島幹事、高原広報委員長、神谷ホームページ担当委員、栗田出版委員長をはじめとする多くの運営委員の方々と事務局担当の宮原さんに感謝致すとともに、今後の部門の益々の発展をお祈りして挨拶の言葉とさせていただきます。


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