技術委員会研究会の活動

「音・振動快適化技術と新しい評価法」研究会

主 査 川島 豪
神奈川工科大学

 本年度第1 回目の研究会は、神奈川工科大学で12月に開催しました。

 石濱先生(神奈川工科大学)の「タイヤの騒音」に関する講演、西口先生(神奈川工科大学)の「ピアノの音響学」と題した講演を聴講し、原氏(日立製作所)の「電圧型インバータのPWM 方式による分布巻永久磁石同期モータの振動発生要因の検討」、田部氏(日立製作所)の「瞬時周波数分析による高圧燃料ポンプの音源分離」と題した話題提供をいただき、参加型討論会を実施しました。

 最後に先進技術研究所の西口研究室、KAIT 工房、自動車工学棟を見学しました。 2回目は、朝倉先生のご尽力により、東京理科大学(野田キャンパス)で1 月に開催しました。
 朝倉先生の「波動理論に基づいた時間領域差分法による振動音響解析」の講演と、長倉氏(鉄道総研)、北川氏の「鉄道騒音に関する最近の研究動向」、久野氏(九州大学大学院)の「集中系モデルを用いた音響空間のモデル化と能動制御」、林先生(長崎大学)の「遠心ファンの騒音源の探査」と題した3 件の話題提供を聴講し、活発な意見交換をしました。
 研究会の最後には、意見交換会を設けて自由な雰囲気で語れる場を提供するなど、非常に興味深い内容の研究会です。

 皆様の積極的なご参加をお待ちしております。

 参加ご希望の方は江波戸幹事( akihiko.nanamito@toshiba.co.jp )までご連絡下さい。

 また、部門非公認ではありますが、若手のざっくばらんな会も催しております。

 参加ご希望の方は江波戸幹事( akihiko.nanamito@toshiba.co.jp )までご連絡下さい。

NEE研究会

主 査 近藤 明
大阪大学大学院

2017 年1 月31 日にグランフロント大阪ナレッジキャピタルにおいて、第20 回NEE 研究会を開催した。

  NEE とは、Numerical Environmental Engineering の略称で、NEE 研究会は、環境分野の研究に数値計算を用いている幅広い研究者が集えるような場所を提供することを目的に、年1 〜 2 回開催している。

 今回の研究会のキーワードは、ヒートアイランドとした。神戸大学の竹林英樹様からは、「街路スケールにおける都市環境気候図作成のための気候解析」のタイトルで、道路方向と建物形状によって、樹木による日射遮蔽効果が異なること、都市の風通しの良し悪しはグロス建蔽率と関連性があることについて、講演をいただいた。大阪市立大学の鍋島美奈子様からは、「排熱回収による給湯省エネルギー対策」のタイトルで、未利用エネルギーである下水熱回収に関する一般的な説明と大阪市の下水熱ポテンシャルの賦存量について、講演をいただいた。奈良女子大学の吉田伸治様からは、「指向性反射を考慮した放射・CFD 連成解析による熱線再帰性反射フィルムの評価」のタイトルで、再帰性反射フィルムの説明とその反射の幾何学過程を扱えるAND モデルとCFD の連成解析から、再帰性反射フィルム使用の屋外熱環境改善効果について講演をいただいた。今回の講演会の参加者は、23 名であった。

 NEE 研究会は、数値計算を研究に応用している研究者のサロン的な役割を目的とし、環境という幅広い分野の講演を企画しています。

 日頃聞くことが出来ない研究について触れる機会を得ることが出来ますので、多くの方の参加を歓迎いたします。なお、今までのNEE 研究会の講演概要は、下記HP から見ることが出来ます。

http://www.see.eng.osaka-u.ac.jp/seeea/seeea/NEE/index.html

エネルギーシステム汎用数理モデル研究会

主査 齋藤 潔
早稲田大学

 近年スマート化、デマンドレスポンスなどのキーワードに代表されるようにエネルギーシステムの分野においては、システムの大規模、統合化が進められている。このような状況では、実験的アプローチが困難なため、数理モデルを構築し、これを用いた合理的な数値解析による検討が有効となる。

 現状エネルギーシステムの数値解析は、各研究室や企業が所有している解析コードを利用していることが多い。このため、どのような数理モデルを用いているのか、どのような数値解法を適用しているのか不明な点が多い。このため、一般化された数理モデルや解析コードを本研究会で作成し、公開・共有できれば、合理的に信頼性のある数値解析を実現できる。

 本年度には、エネルギーシステム解析に必要となる汎用解析ツールの構築を目指し、システムを構成する要素内部の物理現象のモデル作りから、数値解析方法、結果の表現方法まで含めて検討をしてきた。

 今後は、発電システムの更新診断や建築系の空調計算方法、自作解析ソフトのメインテナンスの問題など、各大学・企業・研究機関が有する課題を明確としていく必要もあり、来年度も引き続き研究会を開催し、文献調査も含めて、エネルギーシステム解析の共有化に必要となる知見を共有する予定である。

吸収・吸着を用いた環境制御技術の高度化に関する研究会

主査:宮崎隆彦
九州大学

 本研究会は、吸収・吸着現象を利用した環境エネルギー技術について、分野横断的な情報共有、人材交流を目的とした研究会であり、幅広い分野の研究者・技術者をメンバーとして平成26 年10 月から活動しています。

 平成28 年度は、12 月2 日(金)〜3 日(土)の2 日間、化学工学会エネルギー部会熱利用分科会との共催で、「若手研究者のための熱利用・環境技術ワークショップ」を開催しました。

 機械工学と化学工学の分野では、吸収・吸着現象、化学反応等を利用したエネルギー関連技術が一研究領域を形成しています。

  本ワークショップは、両研究分野の若手研究者と学生が分野の垣根を超えて交流することを主目的に、八王子セミナーハウスにて合宿形式で実施しているワークショップです。

 今回は、吸着冷凍操作(金沢大・汲田先生)、化学蓄熱・ヒートポンプ(名古屋大・窪田先生)、吸収冷凍機(早稲田大・井汲先生)に関する基礎から実践に亘るご講演に加え、海外から、ナノ流体研究(インドネシアSebelas Maret 大学・Wijayanta 准教授)、さらに異分野からの招待講演として、DNR、RNA を利用したナノ構造設計(電気通信大・関先生)のご講演をいただき、幅広い情報交換・人材交流を行いました。

 大学関連だけでなく、産業界からもご参加をいただき、講演会後は、フランクな雰囲気で様々なディスカッションが交わされました。

研究会への参加に興味をお持ちの方は、宮崎( tmiyazaki@kyudai.jp)までご連絡ください。