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科学技術は、これまで人類に多大な福祉をもたらした反面、人工物によるリスクはその進歩に伴い増殖し、 それにより多くの危害をもたらしてきているという副産物を伴ってきています。 人工物設計に携わる技術者は、本来その危険を制御できる唯一の専門家であり、その為に、危害を事前に 防止するという未来への責任を倫理的に担っています。 要素還元主義一辺倒の弊害としての環境問題は典型的な科学技術の負の遺産ですが、それに伴い ホーリスティックなシステム論を提唱するニューサイエンスの動向も見落とせるものではなくなってきています。


安全を確保する事は、先ず人工物を創造する機械設計者が、危害の基となり、因果決定論に基づく機械類の様々な 危険源を、事前に規格等により定められている安全の基本概念や方法論を適用するという予防方策により除去し、 リスクを低減する事、そしてリスク低減後の残留リスクについては使用者が適切な管理を実施する事により達成 されます。

このようにリスクベース社会においては、危険源を含む人工物を社会がその機能による利便性故に受容しています。 事故がおきても、安全規格が定める設計方策による適切に低減されたリスクの達成、或いは事前に合理的な代替設計 が無い方策を講じておけば、社会がそれを受容し、被災者は保険で救済される仕組みになっています。

日本では、比較的事後の方策に重きを置き、予防を前提としたリスクベース社会としての社会制度が必ずしも 充分とは言えない為、事故の際の責任所存が必ずしも明確ではなく、危険な機械が数多く市場に流通しています。 事故が起きても誰が悪いかという犯人探しをして、技術的要因に基づく原因追求はきちんとされない場合が多く あります。それゆえ、安全を確保する基本概念と方法論の更なる周知徹底が求められます。

この10年来、日本ではリスクアセスメントを主体とするリスクベースド・アプローチを導入すべく、多くの方々が 努力されてきましたが、年間千名以上の方々が労働現場で貴重な命を落とされている事実を直視すると、未だ改善 の余地が多く残されています。更に、新産業として、例えばサービスロボットが幼年期として台頭してきていますが、 ここでは人と危険源を有する機械の接触を前提としており、それ故安全確保が第一となってきます。とりわけ新産業 においては、安全確保の社会制度構築が必須要件となります。

この度、産業・化学機械と安全部門の部門長を引受けるにあたり、機械類の安全確保とそれによりもたらされる安心 社会を構築する為に、どうすれば良いか議論を、新たな視点から展開できればと考えています。新たな視点とは、 例えばサービス工学という供給者論理から受給者論理への転換を踏まえた新たな複合領域の意義を配慮し、同様に 安全が達成されていない場合に発生する危害の責任論に係わる横断的な法工学の概念等を踏まえます。更には人に 危害を与えない安全というものを、技術・倫理・経済・社会制度の四つの構成要素を基に見つめ直し、社会が求める 安心の条件作りをしてゆきたいという事です。その為に、まず「安全安心社会の為のSafety Service Engineering 研究会―安全知とものづくりの融合」を発足させ、議論を開始しました。

ものづくりの知識が集約する設計プロセスにおいて、従来の欧米発の安全の規格体系に、日本のものづくりの暗黙知 をいかに形式知に転換し、日本発のイノベーションとして世界に発信できるか、という事への挑戦です。 ご興味のある方は、是非この研究会に参加下さい。何卒宜しくお願い申し上げます。


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当部門では、この度、ホームページにおけるバナー広告を募集する事と致しました。
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一般社団法人 日本機械学会 産業・化学機械と安全 部門 担当 渡邊 賢太
電話:03-5360-3504 E-mail:watanabe@jsme.or.jp