功績賞受賞

下河辺明
東京工業大学
精密工学研究所

  情報・知能・精密機器部門の功績賞をいただき,ありがとうございました.当時の小野京右部門長から,この部門の仕事を手伝えとの依頼を受け,講演のオ−ガナイザを引き受けたのがIIP部門との付きあいの始まりかと思います.運営委員や部門長をさせていただきましたが,その間,常に悩ましかったことをこの機会に書かせていただきます.

  私自身の仕事は,精密機器に関連していますが,精密機器という名称は幅が広すぎて,加工,計測,要素など全てが関連します.また,情報機器も知能機器も広く考えれば精密機器の一種であると見なせます.逆に,精密機器も情報機器や知能機器でもあるわけです.

  そのようなわけで,自分の研究や製品がこの部門にぴったり関連していると考える人があまり多くないところに問題があるように思います.幸い,ファイル関連の人たちだけは例外で,我らこそこの部門の中核であるとの意識があるようです.しかし,日本の企業が,磁気ディスクはもうヤメ,と言ったらどうなるのでしょうか.

  製品や産業分野の名前を冠した大学の学科・専攻は,産業構造の変革と共に消えました.私の所属する大学でも繊維や窯業などの学科が発展的に解消されました.情報・知能・精密機器という名称もこれに似た状況でしょうか.

  このような状況下で,本部門のさらなる発展を目指して,部門運営に携わったものとして,以下のお願いをしたいと思います.

1)本部門を第1位登録に

  現在機械学会の会員は,自身に関連ある部門として,第1位から3位までの部門を登録できますが,かなり有力な部門メンバ−も1位登録ではない事実があります.1位登録会員数は部門の力の顕れと考えます.

2)行事への積極参加を

  学会の講演会や懇親会には積極的に参加して下さい.若者は自分の研究を,仕事をぜひ積極的に発表しましょう.独創性とかオリジナリティなどといったむずかしいことはさておき,とにかく若者は発表する,ベテランはそれを大いにほめる,これが大事だと思います.

  部門のますますの発展を祈ります.

Last Modified at 2000/6/13