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IIP部門学生サマースクールに参加して


東洋大学 工学部
機械工学科 
ロボット工学研究室
杉江 広葵
 「夕食後の全体会議では『未来にどのような知能機械があるといいか』というテーマで,各部屋を1グループとしてプレゼンテーションをしてもらいます.」

 IIP部門学生サマースクールの初日,各大学の研究室紹介が終わるや否やこの課題が出されたときは,なんという難題だろうかと私は驚いたものでした.ホテルの部屋割り毎というのは,昼間のバレーボール交流大会で初めて会った者同士ということであり,同じチームとして熱戦を繰り広げたとはいえ,まだ簡単に自己紹介したばかりの間柄でした.しかも発表までの準備時間は夕食会を含めても2時間弱.それほどの短時間でプレゼンテーション資料を作った経験のない私にとっては,かなりインパクトのある課題といえました.

  本当に2時間弱で形にできるだろうかと思いながらグループで食卓を囲みましたが,いざ各々の考える知能機械について意見交換を始めると,それぞれ妙案が出て,それらを1つに絞ることもまたスムーズに決まったのでした.このときの共通話題の多さと説得力の高さに,同じ分野の研究者という実感を強く受けました.

  部屋に戻って発表資料の作成に取り掛かると,さらに参加学生・院生の底力を目の当たりにしました.グループのリーダーシップが即座に生まれ,役割の分担,発表の骨格作り,アイディアの盛り込みが,討議している自分も驚くほど手際よく進んでいき,始まる前の不安もなんのその,きっちり作り上げて発表開始を迎えたのでした.発表担当者によるプレゼンテーションも堂に入ったもので,ここでも発表に苦手意識のある私にとって大いに学ぶところがありました.

  プレゼンテーションが成功を収め,総合2位の戦利品を得て各自部屋に戻ると,お互い存分に話し合ってみたいほどに打ち解けていました.研究分野が近いだけに話は弾み,機械好き同士ならではの趣味の話題もあって,まるで普段の研究室のようだとさえ思いました.お互いの研究についてはちょっと競争心も刺激されつつ,夜更けまでこの語らいを楽しんだのでした.

  合宿を終えてみると,わずか丸1日だけとはいえ,学外の研究室と共同生活したことで受けた影響は大きかったと思います.私にとっては,自分と近い方向を目指している同世代の仲間に会って自身を振り返ってみる絶好の機会でした.いずれ学会を通じて,この合宿仲間に会うことがあるかもしれません.そのときはぜひまた話し合ってみたいのです.

Last Modified at 2007/10/17