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ベストプレゼンテーション賞受賞

京都大学 小川純矢

 この度は,2007年度年次大会に於いて発表いたしました「圧電薄膜を用いた流体搬送機能を有するマイクロチャネルの開発」に対し,ベストプレゼンテーション賞をいただき,大変光栄に思います.研究活動を始めて1年余りでこのような賞をいただけたのは,先生方や研究室の皆様のご指導,ご助言の賜物であり,大変感謝しております.

 今回,賞をいただいた研究は, 半導体プロセスや薄膜技術を駆使して,マイクロポンプの小型化,集積化を目指すものです.近年,マイクロマシンの応用として,化学・医療用検査デバイスの小型化という分野が注目されており,各種分析をチップ上で統合的に行うマイクロTASは,簡易診断機器や環境分析への応用が期待されています.私の研究室では,1滴の血液で簡便かつ安価に腫瘍や感染症などの疾病の検査を行う医療用検査デバイスの研究開発に取り組んでいます。マイクロの領域では少量のサンプルと試薬を用いて高速・高精度に分析を行うことができます.しかし,通常の大きさでは体積の影響が支配的であるのに対して,マイクロの大きさでは表面積の影響が大きく,通常の機械の機構・原理とは異なった方法で機械を構成する必要があります.そこで,高速・高感度なシステム実現のための要素技術として、マイクロチャネル内でのサンプリング・分離技術、送液技術、素血処理技術の研究開発を行っています。本研究は,この中の送液を行う要素の開発を行うもので,チャネル壁面に微小振動を励起することにより,試薬等を流すチャネルそのものに送液機能を持たせることを提案し,実際に送液性能の実現に成功しました.

 修士の2年間が終わろうとしていますが,大学院における研究活動を通じて研究の進め方や主体的に取り組む姿勢を身に付けることができました.就職後も今までに得たことを糧に,一線で活躍できる研究者を目指してさらなる努力をしていきたいと考えております.

Last Modified at 2008/10/6