フェロー賞受賞

名古屋大学  月山陽介

 修士課程からカーボンナノチューブ膜という材料についての研究を始め,2007年度IIP部門講演会では修士課程における研究内容である「SiC表面分解法による高配向カーボンナノチューブ膜の摩耗メカニズム」というタイトルで発表する機会を頂きました.指導教員である梅原徳次教授のご指導をはじめ,楠美智子教授,所属研究室の皆様のお力添えで,この度,機会学会フェロー賞を受賞することができました.深く感謝申し上げます.

 この研究ではカーボンナノチューブ膜を新しい摩擦材料として応用すべく様々な方面からのアプローチを考えており,nmサイズという目には見えないサイズの材料や現象を扱うことの難しさを感じることも多々あります.カーボンナノチューブが垂直配向しnmサイズの構造をもつことに着目し,摩擦面における微小突起に対するカーボンナノチューブ膜の柔軟性による特異な摩擦現象を期待しております.講演会での発表ではその基礎研究としてこの膜の摩耗現象を明らかにするために,原子間力顕微鏡や,オージェ電子分光法等を用い摩耗に対するカーボンナノチューブの長さの影響や,CNTが根元で破断しているといった事実を明らかにしたことを発表しました.修士課程の後はそのまま後期課程へ進学し,現在も同材料に関する研究を継続しております.今後もフェロー賞を励みに研究を続けていきたいと思っております.

 最後になりましたが,このような素晴らしい賞を頂くことができ,関係者の方々にこの場を借りて深く感謝申し上げます.今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます.

Last Modified at 2008/10/6