Home > ニュースレター バックナンバー > ニュースレター36号 > 【国際会議報告】MIPE2009開催報告

【国際会議報告】MIPE2009開催報告

鳥取大学
福井茂寿

2009年情報精密機器のメカトロニクスに関する日本・米国機械学会合同会議
2009 JSME-IIP/ASME-ISPS Joint Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment
(MIPE 2009)
2009年6月17日(水)〜20日(土)
つくば国際会議場(エポカルつくば)
大会委員長  福井 茂寿 (鳥取大学)
          Frank E. Talke (University of California at San Diego)

 2009年6月17日から20日の4日間、茨城県つくば市のつくば国際会議場(エポカルつくば)にて、題記の国際会議を開催した。その様子を報告する。

 本会議は、日本機械学会情報知能精密機器(IIP)部門が主催して1997年7月に開催したInternational Conference on Micromechatronics for Information and Precision Equipment(MIPE97, 於東京)に端を発し、その後米国機械学会(ASME)の相当する部門であるInformation Storage and Processing Systems(ISPS)部門とのジョイントの会議として、3年ごとに日本と米国で交互に開催され、2003年にMIPE03(於横浜)、2006年にMIPE06(於米国サンタクララ)が開催されてきた。今回は日本側が主体となり、米国側に協力してもらう形で準備を進めた。

 下記の12分野での講演を募集し、当日の講演セッションとした。講演件数は188件(内、キーノート講演9件)であった。

  学術・技術分野:情報精密機器,生体医療機器,知能機器に関するメカトロニクスの最先端技術とその基礎となる科学,およびその周辺技術
1) 磁気記憶装置,2) ドライブメカニズム,3) サーボコントロール,4) マイクロ・ナノメカトロニクス,5) 生体治療・医療,バイオ操作・検査装置,6) 知能化・脳科学,7) 柔軟媒体ハンドリング,8) 複写機・プリンタ・スキャナ・印刷機,9) 精密機器,10) マイクロナノ理工学,11) マイクロ・ナノスケール現象のシミュレーション,12) 光記憶装置・記憶用光デバイス さらに、上記一般講演とは別に、関連する分野全体から5名の著名な講師を招待し、ワークショップ「For a construction of future technology -From “micro-nano” to “intelligence”-」を開催した。その様子はこの分野の今後の発展のためにDVDに収録・保管され、希望により随時貸出可能である。なお、MIPE09の論文特集号がJSME online journal(Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing)に来春発刊の予定である。

 参加登録者数は11ヵ国から232人で、日本からは191人の登録があった。データをまとめたものを表1に示す。今回は世界的な不況や新型インフルエンザの影響のためか、国外、特に共催の米国からの参加者が少ない印象を受けた。なお、新型インフルエンザについては、対策プロジェクト(名称:MIPE09Flu-PJ)を設置し、万全の体制で臨んだ。

表1 国別参加者数データ

国 名

人 数

割合(%)

Japan

191

82.3

USA

8

3.4

China

2

0.9

Hong Kong

1

0.4

Iran

1

0.4

New Zealand

1

0.4

Republic of Korea

12

5.2

Singapore

10

4.3

Swiss

1

0.4

Taiwan

2

0.9

Thailand

2

0.9

不 明

1

0.4

合 計(11カ国)

232

100.0

また、これを業種別に整理し直したものが表2である。大学や公的研究機関の参加者が70%以上を占めており、企業からの参加者が少なかった。本分野、ひいてはIIP部門は企業に密着した研究・開発テーマが主要な部分を占めるため、今後の活動の活性化のための対策が必要である。

表2 業種別参加者数データ

業 種

人 数

割合(%)

大学・研究所
(含 学生)

165

71.1

企業

58

25.0

不明

9

3.9

合 計

232

100.0

 最終日には、日本と米国の実行委員会メンバー有志が夕食会を開催し、次回MIPE12への約束と決意を取り交わした。

 ワークショップ終了後(会議懇親会直前)に撮影した参加者の集合写真を、図1に掲載する。この後の懇親会では、つくばならではのガマの油売りの口上などを余興に、親交を深めた。今回、世界的に深刻な不況や新型インフルエンザの流行にもかかわらず、本会議が成功裏に終わったことは、ひとえにご協力いただきました皆様のお陰であり、この場を借りて感謝致します。


図1 MIPE09参加者集合写真

 

Last Modified at 2009/11/5