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2016年度部門表彰者の声:優秀講演論文賞

東北大学
奥山 武志

 この度は、2016年度年次大会において発表いたいました「ウェアラブル指先力計測センサシステムの開発」に対し、優秀講演論文賞を頂き、大変光栄に存じます。共同研究者である田中真美先生と小林晃平氏をはじめ、学会等においてご助言いただきました皆様に深く感謝申し上げます。

  今回の受賞対象となった研究は、ヒトの指先にかかる力(指先力)を、指先にセンサを配置せずに推定する手法の開発に関するものです。リハビリテーションやスポーツなどにおける多くの手技は指先の触感覚が重要な役割を担っており、指の触感覚を妨げない手技の計測・評価手法が求められています。

  本研究では動作情報のひとつである指先力を対象とし、指先力と腱張力の関連性に着目し、腱張力を計測することで指先力を推定する指輪型センサシステムを考案しました。指の根元付近の指腹側を押し込むだけの非常にシンプルな構造で指先力を計測できるシステムです。しかしながら、腱張力は指の姿勢によっても影響を受けます。この影響を補正するために、指の関節角度を計測するフィルムセンサと組み合わせ、指の姿勢によらず指先力を推定できるウェアラブルなセンサシステムを開発しました。本センサシステムは、計測中も指の触感覚を活用できることから、手技のコーティングなどに貢献できる成果であると考えております。

 今後は、この度の受賞を励みに、社会の諸課題の解決に貢献できるよう、より一層研究活動に精進する所存です。今後ともご指導とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

Last Modified at 2017/7/26