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2018年度部門表彰者の声:優秀講演奨励賞

新潟大学
豊崎弘也

 この度は,2018年に開催された日本機械学会の情報・知能・精密機器部門において発表しました「骨接合プレートにおけるタッピング固定を利用したポリアキシャルロッキング機構の設計指針の提案」に対し,優秀講演奨励賞を頂き大変光栄に思います.これも指導教員の新田勇教授と月山陽介助教の日々のご指導のおかげであると深く感じております.この場をお借りして心より感謝申し上げます.

 受賞致しました研究では,撓骨の骨折時にプレートとスクリューを用いて骨折片を本来の位置で固定するための新しい骨接合プレートの提案を目的とし,スクリューのねじ山でプレートにタッピングすることで自由にスクリュー挿入方向を設定し,骨とプレートを固定することが可能な新しいポリアキシャルロッキング機構の開発を行いました.

 近年,高齢化社会の到来により,転倒により撓骨を骨折する例が高齢者で増加していますが,手術の際に自由にスクリュー挿入方向を設定できない製品も多々あり,スクリューと併用してワイヤーでの固定なども行われています.タッピング式のポリアキシャルロッキング機構を用いることで,医師が自由にスクリュー挿入方向を設定することができ,プレートとスクリューのみで手術を行うことができ医師の負担軽減へと繋がります.また,手術時間の短縮などにもつながると考えております.

 2019年現在,社会人として日々様々な困難に直面しておりますが,この度の受賞を励みに今後の業務に取り組む所存です.最後になりますが,日本機械学会の情報・知能・精密機器部門の益々のご発展を祈念し,御礼の挨拶とさせていただきます.


タッピングを利用したポリアキシャルロッキング機構

Last Modified at 2019/9/6