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2021年度部門表彰者の声：ベストプレゼンテーション表彰

株式会社日立製作所
柴田 亨

　この度は、IIP2021において発表しました「生活空間における柔軟媒体ハンドリング技術」に対して、情報・知能・精密機器部門ベストプレゼンテーション表彰をいただき、大変光栄に思います。

　本発表の内容は、生活空間で人が書類を取扱うように、柔軟媒体を取扱い可能で省スペースな把持機構を検討したものです。紙のような柔軟媒体は，単純に持ち上げると，支えられていない紙端部が垂れ下がってしまいます。生活空間で薄い冊子やパンフレットなどの柔軟媒体をハンドリングするためには，紙を把持した次の動作（人との受け渡しやファイル詰作業など）を考えると，紙面情報を見やすく隠さずに把持する必要があります。そこで、人が紙端部を把持する際に、経験的に、紙に変形を与えながら保持するように、紙に凹凸形状を与えながら保持する機構を検討しました。紙に与えた凹凸形状の違いによる紙端部の垂れ下がり量を検討し、下に凸のＶ字形状を与えながら把持することで紙を垂れ下げずに紙端部のみを把持する機構を提案しました（図１）。

　今後も，人や社会の役に立つ技術の開発を目指し，より一層研究活動に精進する所存です．最後になりますが，日本機械学会情報・知能・精密機器部門の益々のご発展を祈念し，御礼の挨拶とさせていただきます。

図１　開発した柔軟媒体ハンドリング装置

Last Modified at 2022/6/8