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2024年度部門表彰者の声:ベストプレゼンテーション表彰

関西大学大学院
信岡 祐哉

 この度は,日本機械学会2024年度年次大会において発表した「スマートシューズ用摩擦発電機の出力向上の検討」に対し,情報・知能・精密機器部門ベストプレゼンテーション表彰を授与いただき誠にありがとうございました。

 近年,高齢化社会の進展に伴い,認知症行方不明者の数は年々増加傾向にある中,ウェアラブルデバイスなどのスマートセンサなどが注目されており,位置情報や歩行分析などに役立っています.しかし,電池の寿命やメンテナンスコスト,生産や処分時の環境問題などの課題もあります.そこで我々は,歩行時の振動から発電でき,フィルム状のため柔軟で踏まれ続けるという環境にも適している摩擦発電機を用いて位置検出用スマートシューズを開発しました(Fig. 1).しかし,摩擦発電機は内部インピーダンスが数MΩ以上と非常に高く,電力変換効率が悪いという問題があるため,本研究では,機械的なスイッチングを行い,発電波形をより時間幅の狭いパルス波形として変換効率を上げる検討をしました.結果として,蓄えられた電荷が瞬間的に流れることにより,低インピーダンスでも電圧と発電量を維持することができ,このことからインピーダンス依存性が低くなるため様々な機器で変換効率の向上が期待できます.

 来年度からは社会人となりますが,今回の受賞を励みにして精進していく所存です.最後になりますが,日本機械学会情報・知能・精密機器部門の益々のご発展を祈念し,御礼の挨拶とさせていただきます.

Last Modified at 2025/5/7