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ハシン則

Hashin failure criteria

 ハシン則は,一方向繊維強化複合材料における繊維方向の破壊モードとその他の方向のモードで異なるという物理的洞察に基づき,破壊モードが,繊維と母材のどちらのモードであるか,また,そのモードが引張,圧縮のどちらで発生するかによって分類する.
 計4つの破壊モードそれぞれに対して,異なる判定式を用いて,その式を満たす場合に破壊したと考える.なお,以下において,下付き添え字のL, T, Zはそれぞれ繊維方向,繊維直交方向,積層方向を示し,$\sigma_{()}$は局所座標系の応力を表す.

(1)繊維の破壊モード
(1-1)繊維方向の引張破壊($\sigma_L > 0$)
$$\left(\frac{\sigma_L}{F_L^t}\right)^2+\frac{1}{F_{LT}^2}\left({\sigma_{LT}}^2+{\sigma_{LZ}}^2\right)=1$$
$$\sigma_L=F_L^t$$
ここで,$F_L^t$は複合材料の繊維方向引張強度,$F_{LT}^\ $ は繊維方向せん断強度である.なお,本破壊モードは,繊維の破断であるとみなす.

(1-2)繊維方向の圧縮破壊($\sigma_L < 0$)
$$\sigma_L={-F}_L^c$$
ここで$F_L^c$は,複合材料の繊維方向圧縮強度である.なお,本破壊モードは,繊維の座屈であるとみなす.

(2)母材の破壊モード
(2-1)母材の引張破壊($\sigma_T+\sigma_Z>0$)
$$\frac{1}{{F_T^t}^2}\left(\sigma_T+\sigma_Z\right)^2+\frac{1}{F_{TZ}^2}\left({\sigma_{TZ}}^2-\sigma_T\sigma_Z\right)+\frac{1}{F_{LT}^2}\left({\sigma_{LT}}^2+{\sigma_{ZL}}^2\right)=1$$
ここで,$F_T^t$は複合材料の繊維直交方向引張強度,$F_{TZ}^\ $ は複合材料の繊維直交方向せん断強度である.

(2-2)母材の圧縮破壊($\sigma_T+\sigma_Z<0$)
$$\frac{1}{F_T^c}\left[\left(\frac{F_T^c}{2F_{TZ}^\ }\right)^2-1\right]\left(\sigma_T+\sigma_Z\right)+\frac{1}{4F_{TZ}^2}\left(\sigma_T+\sigma_Z\right)^2+\frac{1}{F_{TZ}^2}\left({\sigma_{TZ}}^2-\sigma_T\sigma_Z\right)+\frac{1}{F_L^2}\left({\sigma_{LT}}^2+{\sigma_{ZL}}^2\right)=1$$
ここで,$F_T^c$は複合材料の繊維直交方向圧縮強度である.