ユーザ用ツール

サイト用ツール


境界要素法

boundary element method

 支配微分方程式にある重み関数をかけ,考えている領域全体に積分した恒等式から出発し,ガウスの発散定理を繰返し適用すれば,最終的に微分方程式の随伴作用素が重み関数に作用する形の逆の定式化が求められる.例えば,自己随伴微分方程式の典型例として,ラプラス方程式\(\it\Delta u = 0\)を考えてみよう.このとき,出発点となる恒等式が\(\int_V {\left( {\it\Delta u} \right)} vdV = 0\)であり,逆の定式化が\[\int_V {u\left( {\it\Delta v} \right)} dV = \int_S {\left[ {\left( {\nabla v \cdot n} \right)u - vq} \right]} dS\]である.いま,\(\it\Delta v = \delta \)(δはデルタ関数)を満足する微分方程式の基本解vを重み関数に選んだ場合を考えよう.逆の定式化から,\[u = \int_S {\left[ {\left( {\nabla v \cdot n} \right)u - vq} \right]} dS\]が求まる.上式でソース点を境界上の任意点に移行させ,基本解の特異性を考慮すれば,次の形の境界積分方程式が求められる.\[cu = \int_S {\left[ {\left( {\nabla v \cdot n} \right)u - vq} \right]} dS\]ただし,係数cは点yでの境界の幾何学的特性から定まる定数である.上式は,境界上の関数uとその法線方向微係数qに関する境界積分方程式であり,これを境界条件を満たすように解けば問題が解決できる.境界を有限要素法と同じように有限個の要素に分割し,これを数値的に解くのが境界要素法の基本である.境界要素としては,一定要素の他に,有限要素法で開発された要素を用いることができる.境界要素法では,境界積分方程式を解析の対象とするので,有限要素法よりも取扱う自由度が大幅に減少する.