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人工腎臓

artificial kidney

 血液中に蓄積した尿毒症病因物質を主として拡散で除去することによって,重篤な腎不全患者を治療しているのが人工腎臓であり,透析という物理化学的原理の応用であることから,人工透析ともいわれている.1995年末で日本の慢性腎不全患者数は約15万人であった.患者は一回4~5時間,週3回の透析治療を受ける.透析器には,コイル型(コルフ型),積層型(キール型),中空糸型(中空繊維型)があり,その中に透析膜を組込んで血液を浄化する.最近では中空糸型透析器が多く用いられている.中空糸の湿潤時内径は200μm,湿潤時膜厚は15~50μm,長さは15~25cmである.素材としては,再生セルロース,酢酸セルロース,またポリメチルメタクリレート,ポリスルホンなどの合成高分子が用いられている.透析器の膜面積は0.7~2.0m2である.透析システムは,体外循環回路,透析器,透析液供給装置,ポンプ,監視装置などから構成されている.腎不全患者のシャントから,約200ml/minの血液が体外に導かれ,凝固を防ぐためにヘパリンが添加された血液は透析器に入る.透析器で約10ml/minの水が抜かれ,同時に同じ透析器で尿毒症病因物質が除去される.浄化された血液はシャントを通して患者の静脈に戻される.