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人工心肺

heart-lung machine, pump oxygenator

 主として心臓を停止させて心内修復術を行う開心術において,心臓のポンプ作用および肺のガス交換機能を一時的に代行する機械装置であり,血液ポンプと,ガス交換装置を主たる構成要素とする.大静脈などの静脈系に挿入された脱血用カニューレを経て落差もしくは血液ポンプにより体外に導かれた静脈血は,ガス交換部(人工肺)で炭酸ガスが除去されるとともに酸素を付加され,大動脈などの動脈系に挿入された送血用カニューレを通じて患者の体内に戻される.最近,開胸手術を行わずに,大たい動静脈に皮膚を介して挿入する経皮カニューレを用いた,経皮的人工心肺が開発され,急性心筋梗塞(こうそく)時の一時的補助循環などにも応用され始めている.ガス交換は,血液とガスとの直接接触,もしくはガス透過性に優れた膜を介しての接触により行われるが,最近は,より生理的で血液に対する悪影響が少ない,ガス透過膜を用いる方式がほとんどである.人工心肺用の血液ポンプは,最初の臨床応用が行われた1953年以来40年以上の長きにわたり,弾性チューブをローラでしごくローラポンプが主流であったが,近年は口を閉そくすると異常な高圧により回路が破裂したり,空気を大量に送り込むような危険性が少ない遠心式のポンプが,安全性の観点から好んで使用されるようになってきている.