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体外循環

extracorporeal circulation

 生体内の血液を生体外の機械装置内に導き,何らかの処置を施したのち,再び生体内に戻す血液循環回路を用いる治療手段の総称.体外設置型の人工心肺,人工腎臓,人工肝臓などを用いた血液循環が代表的である.これらはいずれも,生体から血液を導くための脱血回路,ガス交換,老廃物や毒物の除去,水分補給などの物質交換を行う装置,血液を循環させるためのポンプ,温度調節用の熱交換器,血液を生体に戻すための送血回路を主たる構成要素とし,血液流量,血圧,血液温度などのさまざまなモニタ類が必要に応じて付加される.生体の血液循環のすべてを代行する人工心肺の循環血液流量は6l/min程度にまで達するため,内径10mm程度の太い血液回路が使用されるが,ほかの代謝系人工臓器での循環血液量は最高0.3l/min程度であり,内径4mm程度の細い血液回路が使用される.血液ポンプとしては血液接触部分の滅菌性とディスポーザブル性に優れるローラポンプが使用されるが,生命に直結する人工心肺においては,最近,より安全性にすぐれる遠心式の血液ポンプも登場し,普及し始めている.体外循環の時間は長くても数時間程度であり,体外循環中は,血液接触面での血液凝固を防ぐためにヘパリンなどの薬物を血液中に注入し,一時的に血液の凝固反応をおさえる措置がとられる.