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製銑

iron making

 鉄鉱石をコークスで還元し,溶融銑鉄を製造する工程をいう.銑鉄は炭素飽和の鉄合金であり,製鋼の原料である.鉄鉱石の主成分は酸化鉄で,赤鉄鉱(Fe2O3)が主要な原料である.コークスを燃焼して得られる一酸化炭素ガスで鉄鉱石を還元すると鉄が得られるが,鉄鉱石には脈石成分というけい石やアルミナなどの不純物が数%含まれており,これが鉄鋼材料の中に残ると材料の性質に悪影響を及ぼす.そこで,脈石成分を分離除去するために,鉄と脈石成分をともに液体にして比重差で分離する.鉄は炭素と合金化すると融点が下がり,炭素飽和では高温程炭素濃度が高く,1500℃では約4.5%Cになる.一方,脈石成分は石灰石と反応してガラス状の低融点スラグを形成する.銑鉄の比重はスラグの2倍程度なので,溶融スラグは銑鉄の上に浮かび分離する.この反応を行う装置を溶鉱炉と呼ぶ.まず,鉄鉱石と石灰石を粉状で混合し団子にして焼固め,焼結鉱にする.一方,コークスは石炭を乾留して作られる.この焼結鉱とコークスを,シャフト状の溶鉱炉の上部から交互に層状に装荷し,炉の下部側面に設置された羽口と呼ばれるパイプ状の穴から熱風を吹込む.熱風によりコークスが燃焼して高温を生じ,発生する一酸化炭素ガスで鉄鉱石が還元されて鉄が生成する.鉄は炭素を吸収して銑鉄となり,溶融スラグとともに滴下し炉底にたまる.溶融銑鉄とスラグは炉下部に穴を開け,定期的に取出される.