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産業記念物

industrial heritage

 産業遺産ともいう.過去の産業活動の証拠として残存している物の総称で,工場・鉱山・交通施設・水路などの跡のように土地について動かすことのできない遺跡・遺構と,機械設備や製品のように移動可能な遺物とに分類される.広義の産業記念物には,このようなハードの遺産のほかに,図面・写真・文書のような残存するソフトの遺産を含めることがある.産業記念物の意義は①重要な発明品や最初の工業化の場所などは国民的な誇りの象徴となる,②その土地や企業にとっては先人の業績を記念する,③過去の技術・労働・生活を具体的に再現するための資料であるなどである.しかし産業遺跡・遺物は放置すれば破壊・滅失する運命にあるので,記念物として保存の労をとらなければならない.現実に国や自治体の文化財に指定されるものが増加しつつあり,企業や関係団体・個人が保存している場合も少なくない.しかしこのような認識は必ずしも一般的でないので,現在破滅の迫っている産業遺産もまた少なくない.産業遺産を探索し調査するフィールドの学問を産業考古学という.