ユーザ用ツール

サイト用ツール


応力速度

stress rate

 一般に応力テンソルの変化速度を応力速度という.コーシー応力Tの,物質時間導関数によって定義した応力速度は\[\boldsymbol{\dot T} = \frac{{\partial \boldsymbol{T}}}{{\partial t}} + \frac{{\partial \boldsymbol{T}}}{{\partial \boldsymbol{x}}} \cdot \dot x\]で表される.ここでxは物質点の位置ベクトルである.この応力速度は物質点の移動に伴う変化は取り入れられているが,物体の回転に伴う変化は考慮されておらず,また客観性を持たない.このため各種の構成関係を議論する際に,コーシー応力Tに対して客観性を持つ応力速度が種々提案されている.すなわち物質点の移動と回転の両者の変化を考慮したヤウマンの応力速度\({{\boldsymbol{\dot T}}_{(j)}}\)をはじめ,オールドロイドの応力速度\({{\boldsymbol{\dot T}}_{(O)}}\),コッタ・リブリンの応力速度\({{\boldsymbol{\dot T}}_{(c)}}\),およびツルースデルの応力速度\({{\boldsymbol{\dot T}}_{(T)}}\)などが提案され,それぞれ次のように定義されている.\[\begin{array}{l} {{\boldsymbol{\dot T}}_{(J)}} = \dot T - W \cdot T - T \cdot W\\ {{\boldsymbol{\dot T}}_{(O)}} = \dot T - L \cdot T = T \cdot {L^T}\\ {{\boldsymbol{\dot T}}_{(C)}} = \dot T + {L^T} \cdot T + T \cdot L\\ {{\boldsymbol{\dot T}}_{(T)}} = \dot T - L \cdot T - T \cdot {L^T} + (tr\boldsymbol{L})\boldsymbol{T} \end{array}\]ここで,Lは速度こう配テンソル,Wはスピンテンソルである.このほかキルヒホッフ応力\(\boldsymbol{\mathord{\buildrel{\lower3pt\hbox{$\scriptscriptstyle\frown$}} \over T} } = j\boldsymbol{T}\)に対しても同様な応力速度が定義されている.しかし,第2ピオラ・キルヒホッフ応力Sの応力速度としてはその物質時間導関数\(\boldsymbol{\dot S}\)が用いられる.