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応力腐食(割れ)

stress corrosion cracking

 頭文字をとりSCCと略す場合が多い.広義には力学的負荷と化学的環境の同時作用効果により材料中に割れが発生,成長する現象を総称して呼び,狭義には一定荷重下あるいは一定応力下における溶解卓越型のき裂発生,成長現象をさす場合が多い.最近ではSCCの代わりに,負荷モードや割れ機構によらずより広義に環境助長割れ(environmentally assisted cracking, EAC)と呼ぶことが多い.動的SCCや繰返しSCCなどもEACに含まれる.広義のSCC機構としては,①溶解によるき裂発生,成長,②水素によるき裂発生,成長,③皮膜の脆性的破壊およびその母地へのへき開的進展,④脆化相の形成などがある.さらにこれらの機構は,例えば,(1-1)先在活性経路機構,(1-2)ひずみ誘起活性経路機構,(2-1)結合力弱化機構,(2-2)流動応力低下機構,(3-1)皮膜誘起へき開機構,(3-2)皮膜破壊機構,(4-1)粒界内部酸化機構,(4-2)水素化物形成機構などに分けられる.応力腐食割れの寿命評価の方法としては,例えば負荷応力と破断時間の関係として評価する方法,き裂進展速度を応力拡大係数依存性として評価する方法,さ
らに,相対評価試験としてUベンド試験,低ひず
み速度試験などがある.いずれの試験においても下限界特性も重要である.割れはき裂先端の現象であるため力学,環境,材料因子のき裂先端の値が重要で,特に力学因子としてき裂先端における新生面形成速度(皮膜破壊頻度)を支配するひずみ速度と環境因子の重要性が指摘されている.