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照射損傷

irradiation damage

 固体が高エネルギー粒子線を受けることによって生ずる損傷をいう.特に,核反応で発生するα線,β線,γ線,中性子線などの放射線によって引起こされる損傷を,放射線損傷と呼ぶ.結晶質固体の場合,照射によってまず格子点から原子がはじき出され,格子間原子と空格子点との対,すなわちフレンケル欠陥が形成される.続いて,これらの格子間原子や空格子点は移動,合体して,転位ループ,転位網,ボイドを形成するとともに,固溶原子の析出などを引起こす.このような欠陥の発達により,電気抵抗,硬さ,降伏点などの増加,延性の減少,延性-脆性遷移温度の上昇,体積増加,クリープ変形の加速などの現象がもたらされる.高分子材料の場合には,照射によって分子鎖の切断,そのほかの反応が引起こされる.