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腐食疲労

corrosion fatigue

 金属が腐食性環境中で繰返し応力を受けるとき,疲労強度の低下が著しく,空気中の疲労と異なった挙動を示すようになり,これを腐食疲労(CF)という.この現象は不働態被膜を持つステンレス鋼でも避けられないものであり,破面には必ずしもさびがみられない.CFは清水,塩水,酸溶液中などでは明らかであるが,空気中でもその影響は無視できない.空気中の湿気はしばしば材料表面,特にき裂底に露点変化や毛管凝縮などにより凝縮し,ときには空気中の汚染ガスを含んでCFを起こす.乾食によるCFは高温で問題になる.凝縮までにはいたらなくても,ふん囲気中の酸素,水分,そのほかのガスの吸着が疲労強度を低下することがあり,また油中の吸着物質も疲労強度に大きい影響を与えている.このような環境に影響される疲労を総称してCFと呼んでいる.水分は微量でも硬脆性材料に水素脆化割れ(HE)をきたして,その影響が大きい.空気中疲労におけるS-N曲線は,一般にN=107を過ぎるとある限界応力に漸近する傾向を示し,とくに鉄鋼ではN=106~107で水平部が現われ疲労限度が決定される.しかし鉄鋼においても水平部が見られず,疲労限度が存在しないことが多い.また,空気中疲労においては応力繰返し速度の影響は大きくないが,CFにおいては繰返し速度効果が大きいので,CF強度に対しては,応力繰返し速度と指定繰返し数を明示する必要がある.