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フラクトグラフィー

fractography

 金属や高分子などの多くの材料では結晶,非結晶を問わず破壊する際に,破壊の仕方に依存して特有の幾何学模様が破面に形成される.フラクトグラフィーとは,破面に残された幾何学模様の特徴や寸法を肉眼や顕微鏡で定性的あるいは定量的に解読することにより,破壊の機構や破壊条件を研究するための方法をいう.破面の模様の解読法,すなわち破面解析法として,肉眼や光学顕微鏡などの低倍率による方法はマクロフラクトグラフィーと呼ばれ,破壊の起点やき裂進展方向の推定,シャルピー衝撃試験の脆性破面率の同定などに用いられる.電子顕微鏡や走査トンネル顕微鏡などの高倍率装置を用いる方法はマイクロフラクトグラフィーと呼ばれ,疲労破面に形成されるストライエーション間隔や破壊靭性試験片に形成されるストレッチゾーンの幅の測定,変動荷重振幅下の疲労き裂進展の遅延・加速現象や腐食疲労き裂進展の加速現象などの解明に活用されている.幾何学模様の定量結果は,き裂先端の力学場を記述する破壊力学パラメータによって支配されることから,ストライエーション間隔とΔKや,ストレッチゾーン幅とJの関係などが定式化されている.実機が破損した場合,破面には破壊の履歴を示す模様が残されている場合が多いことから,破損原因の究明や稼働応力の推定にフラクトグラフィーが活用されている.