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水力学

hydraulics

 液体および気体を総称して流体といい,流体の運動を純理論的に取扱おうとするのが狭義の流体力学である.これに対して水力学は,一般力学の諸法則を流体の運動に適用し,その圧力・速度およびエネルギーなどの関係を理論的に求めるとともに,実際の流れとの差異を表す係数を相似則によって体系化し,流体運動に関する工学的問題を合理的かつ実用的に取扱う学問であり,対象は水だけではなく流体全般を取扱う.したがって,複雑な流れを二次元あるいは三次元流れとして取扱う狭義の流体力学に対して,水力学では一次元流れに近似して取扱い,実際の流れとの差異は係数として直感的に理解しやすい形で表示し,次元解析を用いて主要な影響因子を特定する.一般の流体の運動は,ナビエ・ストークスの方程式および連続の方程式を解くことにより完全に定まるが,工学的に重要な流れはほとんどが乱流であり,乱流応力の理論的取扱いが困難なためまだ任意の流れ現象を理論的に取扱うことはむずかしい.これに対して水力学では,乱流応力に実験係数を用いて処理し,工学的に重要な圧力損失や抗力などのマクロな量を実用的な精度で定めることができるが,適用範囲が狭くなるという欠点がある.流れ現象を解析するには,まず水力学の諸公式を用いて現象の本質を解明し,しかる後に流体力学的な取扱いにより流れの詳細を解析するという手法がとられる.