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風洞

wind tunnel

 気流の中に置かれた実験模型について流体力学的研究を行う設備である.特殊な研究目的の場合を除けば,測定部の気流は,流速に脈動がなく,分布は一様で,乱れ強さは実験の目的に影響を与えない程度に小さいことが必要である.大別して放流式風洞と回流式風洞がある.前者は,送風機,整流部,測定部からなる比較的小型の風洞で,設備費は安価であるが,吹出しのエネルギーがそのまま損失になる.吸込形と吹出し形がある.回流式風洞は,測定部から流出した気流が回流するのでエネルギー損失が少なく,比較的大型の風洞がこの形式になっている.ただし,回流の流路の途中に広がり部,偏流部,送風機などがあって気流の偏りと速度変動を発生するので,広がり角度,偏流板,流路内面の平滑性などに十分注意して設計する必要がある.測定部の上流に設ける整流部は,一般に整流格子と3枚ないし10枚の整流金網,それにノズルからなる.整流部上流に整流金網を入れた広角度ディフューザを設けると風洞の全長を短縮することができる.多目的に使用する一般風洞のほか,低乱風洞,突風風洞,境界層風洞,可視化用煙風洞,自動車用風洞,さらには亜音速,遷音速,超音速の高速風洞,衝撃波管など,実験目的に応じた構造に設計される.特に測定部は,所要の各種の計測が行いやすいように十分検討して設計することが重要である.

09/1011090.txt · 最終更新: 2017/07/19 08:49 by 127.0.0.1