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核生成

nucleation

 熱力学的に相平衡な状態の原子・分子系では凝縮相(液相あるいは固相)の生成・消滅が釣合っているが,非平衡状態になるとこの釣合いが破れ,凝縮相の生成速度が大きくなるときは凝縮・凝固,消滅速度が大きくなるときは蒸発・融解・昇華となる.この非平衡過程を原子・分子運動の時間スケールからみると非凝縮相とマクロな凝縮相の中間に原子・分子のクラスタ状態が存在し,そのクラスタの大きさが大きくなる方向に進行するときは凝縮であり,小さくなる方向に進行するときは蒸発である.通常,このクラスタの大きさの変化,したがってその生成・消滅の特性時間はマクロな凝縮相の生成・消滅の特性時間に比べて小さいため,この過程をある大きさのクラスタの瞬間的な生成・消滅とそれを基にした凝縮相の生成・消滅と考え,前者を凝縮・蒸発の核生成と呼んでいる.このように生成核が生成あるいは存在し,それから凝縮・蒸発が進行する過程を核凝縮・核蒸発という.これらの生成核の大きさはその非凝縮相の単原子・分子からマクロな凝縮相原子・分子のクラスタが生成するときの生成エネルギーが最大になるものを選んで,これを臨界生成核という.生成核が凝縮・蒸発する原子・分子と同じもののとき均質核生成,異なるとき非均質核生成という.