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昇華

sublimation

 物質が液体の状態を経ずに,固体から気体に変わる現象.固相と気相が安定に共存できる状態を昇華点,昇華点の圧力依存性を示したものが昇華曲線であり,この曲線はlnP=-(ΔH/RT)+(ΔS/R)の式で表される.P:昇華圧,T:絶対温度,R:気体定数,ΔH:昇華熱,ΔS:昇華のエントロピー変化.ここで,昇華熱は相変化において吸収される熱量であり,融解熱と気化熱の和に等しい.昇華曲線は,三重点で融解曲線と飽和蒸気圧曲線と会合する.このような昇華の現象は,常温,常圧下ではナフタリン,ヨウ素,二酸化炭素(ドライアイス)などで見られる.ナフタリンなどを用いた昇華法は,熱と物質移動のアナロジーにより,昇華量を測定して熱伝達係数を推定する方法である.真空凍結乾燥は,水の三重点以下で行われる昇華による乾燥法である.なお,空気中の水蒸気が低温面で凝結する現象を着霜とよぶが,昇華にはこのような気体から固体への変化も含まれる.