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相似則

similarity law

 時間ないし空間スケールの変更,すなわち適当な無次元変数の導入を行って,ある事象を異なる時間ないし空間における事象に一致させることができるなら,それらの事象は相似であるという.すなわち相似の現象においては,これを想定する無次元数の値は一致して不変である.例えば,発達する境界層内やプルーム内の速度分布(ないし温度分布)を適当なスケール変換によって一致させることができるなら,それらの速度分布(ないし温度分布)は相似であると呼ばれ,これを記述する変数(相似変数と呼ばれる)の関数となる.この場合は,偏微分方程式が相似変数のみの常微分方程式に変換できることになる.そのように相似の現象を支配する方程式の解を相似解という.一般には解は境界条件の空間変化などに依存して,相似解が得られるとは限らない.現象の相似を無次元数によって規定するとき,相似則が成立するという.現象を支配する無次元数(レイノルズ数や相似変数)が不変となるようなスケール変換が可能なら,現象あるいは対応する関数(境界層厚さ,したがって摩擦抵抗の係数や速度分布など)の値が一致する.このように実験・設計などにおけるスケール変更やスケールアップの基礎を与える.なお運動量輸送と熱輸送のように,両事象の物理機構の間の類似の関係を,相似則によって表現することができるなら,それらの事象にはアナロジー(類似性)があるという.