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伝熱促進

heat transfer augmentation, heat transfer enhancement

 二つの定義がある.①ある物体から(物体へ)の単位時間当たりの伝熱量を増大させること(広義),②ある物体から(物体へ)の単位表面積・単位時間・単位温度差当たりの伝熱量,すなわち熱伝達率を増大させること(狭義).広義の伝熱促進は,材料の急冷の場合のように,被冷却物体と冷却流体との温度差を大きくとることが許される場合に用いられる.一方,熱交換器などのように,取りうる温度差に制限がある場合には,狭義の定義による伝熱促進が要求される.伝熱促進の際に,外部から余分の(流体を流すため以外の)動力の投入を行う場合を能動的促進という.かき取板の使用,伝熱面や流体を振動させる方法,電磁場の付与などはこれに属する.一方,外部動力を投入せず,主として流路の形態の工夫などによって伝熱促進をはかる方法を受動的促進法と呼ぶ.さらに,これら二つの組合せによる複合的方法もある.対流熱伝達の促進では,まずフィンなどによって伝熱面積を拡大し,次にフィン面上での熱伝達率の増大をはかる.そのためには,何らかの手段で温度境界層の厚さを低減させる必要がある.単相対流熱伝達における中断フィン(あるいは先端効果)の利用,凝縮熱伝達における表面張力の利用はその代表例である.なお,伝熱が高温で行われる場合には,熱放射を利用した伝熱促進も有効である.