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物質伝達

mass transfer

 壁面に沿って流体の流れがあるとき,壁面と流体との間に温度差があれば熱伝達が生ずるように,壁面と流体間に物質成分の濃度差があれば,壁面と流体間に成分物質の移動が生じ,これを物質伝達という.物質伝達の主要な機構としては,分子拡散と対流の二つがあり,流体中では両者による物質輸送が同時に生ずる.物質移動量は,壁近傍と主流での質量濃度差に比例し,比例係数が物質伝達率である.物質伝達がある場合には,壁面を通して質量の移動が必ず存在し,壁面上には,壁面に垂直な対流速度成分が必ず存在する.物質伝達と熱伝達との間にアナロジーが成立するとき,既知の熱伝達の公式を利用して,下記の物理量の変換をすれば,重要な無次元数の変換を得て,物質伝達の公式を得ることができる.\[\begin{array}{l} \lambda /{c_p} \to \rho D,\;\lambda /{c_p}\rho \to D,\;\alpha /{c_p} \to \rho {\alpha _D}\\ \beta \left( {{T_w} - {T_\infty }} \right) \to \left( {{\rho _w} - {\rho _\infty }} \right){\rho _\infty } \end{array}\]無次元数のシャーウッド数Sh,シュミット数Scは,ヌセルト数およびプラントル数より,\[\begin{array}{l} Nu = \alpha l/\lambda \to Sh = {\alpha _D}l/D\nu /D\\ Pr = \nu /a \to Sc \end{array}\]また,物質伝達は,ガス吸収,吸着のように原理的に等温場で単独に生ずる場合と,蒸発,吹出し冷却のように熱伝達と共存する場合がある.